女教師のここだけの話6 被災した時の生理用品、どのくらい備える?
2024年1月1日に能登半島地震が起こりました。被災された皆様に心よりお見舞い申しあげます。そして、1日も早い復興をお祈り申し上げます。
今後70年間で南海トラフ大地震が来る確率は高いと言われていますが、様々なメディアで報じられている通り、いまだ避難所では女性への配慮はまだ十分ではないのです。政府のほとんどがおじさん達ですからいきなり変わることは望めず、必要なものは自分たちで備えるしかありません。
今回の秘密の課外授業のテーマは、「被災した時の生理用品、どのくらい備える?」
今回は生徒の鷹くんとるなちゃんに参加してもらいます。
るなちゃん
X見てたらさ、救援物資の話も出てきてたんやけど、生理用ナプキンやおりものシートって贅沢品では?って声があってめっちゃ違和感したのよ。
女の人には必要なものじゃない?
女の人は救援物資で貰えるんやろ?
男は貰えないの、不公平やん。
鷹くん
るなちゃん
当たり前やん! 男には生理ないやろ?
てかお前、生理来てるってことはセックスしまくってんの?
お盛んやなぁw
鷹くん
るなちゃん
アホか…セックス経験してようとなかろうと、生理は来るものなの!
保健体育の追試受けてこい!
小学校からやり直せ!
こらこら2人とも。
女性にとって生理用品は必需品なのよ。
東日本大震災や熊本地震のときは、道路が寸断されて救援物資が届かなかったり、貰えたとしても数が十分ではない、そして肌に合わないってこともあったのよ。
だから備えることって大事なの。
莉音先生
今回の授業では、災害はいつ起こるか分からないからこそどう備えたら良いか?を皆さんと考えていきます。遠くで起こっている出来事ではなく、自分ごととして捉えるきっかけになればと願っています。今回も真面目な内容ですが、どうぞお付き合いください。
どれくらい用意するのが目安なの?
まずは、どれだけ備えたら良いか見てみましょう。生理用品を準備するのにどれくらい必要なのか?と言われてもピンと来ませんよね。
るなちゃん
私ストレスで生理が来る時期がかなりズレちゃうんだよね。
マジで??
そんなストレスとかでズレるもんなの?
じゃあ突然来たらどうすんの?
鷹くん
莉音先生
鷹!
ナイス質問ね。
慣れない環境だったりストレスで生理周期はかなり左右されるよ。
だから、生理用品を備えることってめっちゃ重要なの。
内閣府の防災情報のページでは、「自治体では女性のために生理用品を備蓄している場合があります。しかし、これはあくまで応急的なものであり、様々な生理用ナプキンがある中で肌触りや好みの形状、状態などに対応してくれるものではありません。サニタリーショーツも含めて個人で相当量を揃えるべきです。」と書いてあるのですが…。
内閣府防災情報
https://www.bousai.go.jp/kohou/kouhoubousai/h25/73/question.html
るなちゃん
相当量ってどんだけいるねん!
アバウトすぎてわかんねww
鷹くん
莉音先生
確かに、これだけだと分かりにくいわね。
私も目安を調べてみたから伝えるわね。
「相当量」と言われてもピンと来ませんよね。今回私は、どれだけ必要なのかをリサーチしてみました。目安としては、だいたい7日間生理がある人でナプキンを1日5~6枚交換すると仮定して、最低でも42枚は必要とのことです。また、多い日用や夜用などの状況に応じて用意する必要があるのです。
しかし、避難生活が長引いたりライフラインの復旧が遅れることもありえますよね。
だから、販売されているパックで数えると普通の日用や多い日用など、それぞれ3~4パックは備えておくと良いかも知れません。スリムタイプだと持ち運ぶときもゴワゴワせずかさばりませんね。
避難所で生活するとなれば、お風呂に入ることもなかなか出来ませんし下着の汚れも気になります。ですので、おりものシートとウエットティッシュもあると良いでしょう。ゴミの中身が見えないように、黒いゴミ袋もあるとバッチリです。
【生理用品を備える目安】
・ナプキンおよそ42枚(生理が7日間ある女性)
・普通の日用、多い日用など3~4パック
・その他、おりものシートや透けないゴミ袋等
鷹くん
え、そんな要るもの?
1日1回交換で良くない?
1枚で受け止め切れる量じゃないねん。
しかも、そんな置いといたら臭いとか不快感とか酷いんやけど!
女の人のしんどさ何もわかってへんな!
るなちゃん
日々の生活で私たちにできることは?
さて、備蓄しておく量の目安がわかりましたね。しかし、災害は予測なく起こるもの。日常から備えておくことも大切ですが、咄嗟のことだと人は上手く動けないものです。
ここからは一緒に、日々の生活でできることを考えましょう。
るなちゃん
薬局とかで売ってるパックさ、あれけっこうデカくない?
家に備蓄できる量は限られるよね。
でもショーツに漏れたりするとめちゃくちゃ不快やし、夜もどうしようってなる。
そうそう。
割とかさばるのよ…
あとはるなが言ってた漏れ防止の為に、夜用にはショーツタイプの使い捨ての生理用品もあるわ。
ショーツを気軽に洗えないタイミングに有効よ。
検討してみて。
莉音先生
もし、外出中に災害が起こってしまったら。そのときに生理が来ることだって有り得ます。だからこそ、私のおすすめは「日常的に一日分使うような量をポーチに入れて持ち歩く」ことです。
るなちゃん
こないだ私が急に生理になって困ってたら友達が貸してくれたの!
持ち歩いてるとか、できる女やわ!
ただカバンに入れっぱなしなだけだろw
鷹くん
莉音先生
るなの友達がどちらなのかは置いておいて、日常的にカバンにきちんとポーチを入れておけば、災害が急に来たときも突然の生理にも対応できるから安心よ。
使い慣れたものを持ち歩いておけば、急な環境の変化にもストレスが少なくなるのです。また、ナプキンだけではなくサニタリーショーツを1枚、使える方であればタンポンもあると良いでしょう。
※タンポンは長時間入れっぱなしにしておくと、トキシックショック症候群(TSS)のリスクが高くなるため2時間を目安に交換すると想定してください。
また、自分の好きなキャラクターやデザインのポーチに入れておけば気持ちが落ち込んだときに元気づけてくれるはずです。
るなちゃん
先生この前生理のことで病院行ってるって言ってたやん?
お薬も入れといた方がよくない?
ナイスるな!
生理痛が酷い方は痛み止めも入れておくべきよ。
私のように普段から産婦人科に通っていてお薬をもらっている人は常備薬も忘れちゃダメね。
莉音先生
生理痛のある方はポーチの中に痛み止めを入れておくのも手です。緊急時には焦ってどこにあるかすぐには探せないかもしれません。だからこそ、まとめてポーチに入れておきましょう。
鷹くん
生理痛?
そんなんで病院行くとか薬飲むとかおかしくない?
気合いでなんとかならんの?
鷹……
お前ほんまに何もわかってないな。
そんな思いやりない奴やからモテへんねん!
るなちゃん
莉音先生
生理痛に関しては、昔の世代では、痛みなんか我慢するものとかそんなに重いものじゃないんだから痛いって言ってる人は甘えだ、痛み止めは飲むなとか言われていたよ。
だけど今は違う。
生理痛は治療もできるし、痛み止めも自分に合ったものを飲んでいいのよ。
へぇ〜!
るなちゃん
鷹くん
今はだいぶ変わったんやなぁ!
備えあれば憂いなし!
ここまでのお話を振り返ってみましょう。
多めの量のナプキン、サニタリーショーツを少し多めにストックしておくこと。そして、いつも飲んでいる痛み止めなどがあれば用意しておく。これが大切なのです。
ちなみに、ナプキンは止血にも役立つので、怪我をして止血するものがない場合にも使えるんですよ。
鷹くん
腕にナプキン…
え、でもそんな用途もあるんや!
緊急時にはアリかも!
るなちゃん
莉音先生
これは私も授業のためにリサーチしていて知ったのよ。
災害時には瓦礫などで怪我することも想定されるから、これも役立つわね。
今回の授業を通して言えることは、「備えあれば憂いなし」これにつきます。
いつ私たちのもとにも災害が起こるか分かりませんよね。だからこそ日頃からしっかり備えておいて、安心して過ごせるようにしていきましょう。
まだまだ生理用品が救援物資になることなどに理解が浅いことがSNSで知られていますし、贅沢品だと感じる無知な人もいます。私は女性の必需品だからこそ「贅沢品なんかじゃない!」と大きな声で伝えたい。
今できることは何か?を常に考えて生きていきたいですね。
それでは次回の秘密の課外授業もお楽しみに!
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