世間は矛盾に満ち溢れている。
大人なmanmam読者の皆様なら、日々感じていることではないでしょうか?

大いなる矛盾をはらんだワードの一つに、変態紳士があります。
「変態」と「紳士」という真逆の言葉で成り立つ、変態紳士。

よく考えると変だけど、今や普通に使われている「変態紳士」の語源について、調べてみました。

まずは変態紳士の意味をチェック!

語源に迫る前に「そもそも変態紳士ってなに?」というところから参りましょう。
もし街頭インタビューで「変態紳士をご存じですか?」と尋ねたら、ほとんどの方が「3人組バンドですね」と答えるのかもしれません。

この記事を読んでいる方なら、当然わかっていると思いますが、違います。
「変態紳士クラブ」の略称ではございません。
ぎょっとするようなバンド名なのに、聞き手の心に寄り添う曲を届ける「変態紳士クラブ」もまた、矛盾を大いにはらんだ存在ではありますけれど。

変態紳士とは「変態行為をまるで紳士のように、取り乱すことなく冷静に行う人間」のことなのだそうです。

ちなみに変態紳士を自任している有名人は、星野源さん、福山雅治さん、そして高嶋政宏さんがいらっしゃいます。
特に高嶋さんは『変態紳士』という本を出されているほど、生粋の変態紳士です。

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タイプの違うイケメン三人ですが、全員変態紳士なのかと思うとさらに魅力が深まりますね。明日からエロい目で見てしまいそうです。

変態紳士の語源は漫画『ギャグマンガ日和』

変態紳士の語源は、増田こうすけ氏の漫画『ギャグマンガ日和』に登場する、クマ吉というキャラクターのセリフが元になっているそうです。


『ギャグマンガ日和』も変態紳士も知っていますが、まさかこれが語源とは思いもしませんでした。

『ギャグマンガ日和』は、現在『ギャグマンガ日和GB』と名前を変えており、2000年から連載が続く大人気漫画で、アニメ化もされています。
歴史上の偉人からおとぎ話の登場人物、果ては宇宙人まで出てくるめちゃくちゃな漫画 (褒めてます) です。
語源となったクマ吉は、「名探偵うさみちゃんシリーズ」に登場します。
このシリーズは、かわいい動物たちの通う小学校という設定で、クマ吉が変態行為で事件を巻き起こし、うさみちゃんが解決するというのが、お決まりのストーリーです。

ある時、下半身を露出させたクマ吉はうさみちゃんに通報されそうになり、自分は変態ではないと弁明します。
「僕は ただ下半身を露出させてると何か興奮することに気づいただけなんだ… ヘンタイじゃないよ…」
「仮にヘンタイだとしても ヘンタイという名の紳士だよ」

下半身を露出させて興奮するのは、変態でしかありません。
純度100%の変態です。
そこを「紳士」なのだと主張する強引な態度が、変態紳士というパワーワードを生み出したようです。

ちなみに「名探偵うさみちゃんシリーズ」の登場人物はメルヘンな動物たちですが、普段から洋服を着ています。
クマだから上だけを着て下半身丸出しでいいという世界観ではありません。
「千葉にある夢の国」の黄色いクマとは違うことを書いておきますね。
クマ吉は、上半身はブラジャーで、下半身はズボンという変態ファッションも披露しています。

下着もある世界ですから、クマ吉はこんなセリフも残しています。
「決していやらしい気持ちじゃなくて…… 純粋にフェレッ子ちゃんのパンツを僕のと交換してほしかったんだ…」

女の子とパンツを交換したい。
その衝動は変態以外の何物でもないと思うのですが、いやらしい気持ちはないと言えてしまうのが、さすが変態紳士です。

さらにフェレッ子ちゃんの身の回りの物をたくさん盗んだのがバレたときには、こんなことを言い出します。
「でも僕は全然ストーカーとは思ってなくて… むしろ紳士をきどっているくらいで…」
変態紳士改め、ストーカー紳士でしょうか?

そんなクマ吉は丸顔で一見かわいいキャラクターなのですが、本当は頬がこけています。
しかし丸顔に見せるため、うさみちゃんと仲良しのニャン美ちゃんの靴下を頬に詰めてふっくらさせているのです。

さすがは変態紳士です。

世界にはばたけ変態紳士!

変態紳士は今や「紳士」と略して使われることもあるそうです。

そんな使い方見たことないけど……、と思って検索したら、海外の方が「日本語で紳士は変態を示すのですか?」という質問をしているのを見つけてびっくり!
あくまでオタク用語ですが、もはやワールドワイドに広がっているんですね。

今や世界の共通語になった「Hentai」です。
意味は日本語の変態とは異なり、日本のアダルトアニメのことを指します。
英語版Wikipediaで「Hentai」を検索すると日本人も驚くほどしっかりとした説明がされています。
https://en.wikipedia.org/wiki/Hentai
日本語における「変態」の使われ方の歴史が紹介されているのは、感心するしかありません。
きっと日本を飛び出したHentaiが、多くの欧米の若者の性癖をゆがめているのでしょうね。
罪深いぞ、日本のアダルトアニメ。

この調子なら「Hentai-shinshi」が英語版Wikipediaに登録され、世界に広まる日も近そうですね。
一体どんな意味で認知されるのかも、楽しみです。
そしてクマ吉が、世界の変態紳士の憧れとなるのもしれません。

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海乃しらす

元BL作家にして、現在は斎場勤務。 性と死を見つめる貴腐人。 異性愛も同性愛も、食わず嫌いなしの雑食派でもあります。

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