見習い淫魔がエロスをお届け 映画「海を感じる時」
アタシは見習い淫魔のフランソワーズあけび。
ねえ、あんたの精気、少しわけてくれない?
上級淫魔になるためにはエロい気分で高まった精気が必要なんだ。
大丈夫だってば。取って食おうって訳じゃないからさ。
今日はアンタためにとっておきのエロい映画を用意したわよ。
これを観てエロい気分になっちまえばいいじゃないか。
なに?話し方がババ臭いって?
あらやだ。
実はアタシさ、前世っていうの?
スナックのママだったのよ。
場末の汚い店。
酔って店の階段から落ちちゃってね。あっけなくあの世生き…と思ったら転生して見習い淫魔から再スタート。まさか自分がこんなことになるとはね。
美容院に行くと女性週刊誌ばっかり持ってこられるようなアタシでも、死ぬには早かったってことかしら。
まあアタシの話はいいから、この映画を観て精気を高めてちょうだい。
上級淫魔になるとイケメンを凌辱できるらしいから、あんたひとつ頼むよ!
あらすじを教えてあげる
海辺の町に住んでる高校2年生の恵美子って子が主人公ね。
部活は新聞部。ある日、授業が退屈で部室でサボってたら、前から恵美子が好きだった先輩の洋が来てね、謎に恵美子にキスを迫ってくんのよ。
もう恵美子、びっくりポンよ。
恵美子が私のこと好きなの?って聞いても、洋は「好きじゃない。ただキスがしたいだけ」とか言って。フフ、おませさんだこと。
スカートの中にまで手を入れてきたと思ったら、チャイムが鳴って洋は部室を出て行ってしまうの。
で、悶々としちゃった恵美子は止めときゃいいのに、その後、告白すんのよ。以前から好きだったって。
だけど洋は言うのね。
「女の人の体に興味があっただけ。君じゃなくても良かった」
だけど、恵美子はめげないの。ストーカー並みに追いかけて、自分の身体を差しだすのよ。何度も何度も…。
たとえ愛されなくても、求められることに喜びを感じて…。
今でいうところのメンヘラってやつかしら。
主演は市川由衣。洋役に池松壮亮。
市川由衣ちゃんは清純派から見事に脱皮したわね。服を着ていないときの方が多いわよ。そして、今はあんまり見ないけれど、スリップ姿、エロいのよね。
画面から伝わる湿った昭和の淫靡な空気感に絶妙にマッチしてる。
好きな男が自分の身体にしか興味がない。だけど、抱かれるってことは求められるからうれしいのよ。
そして、ずぶずぶとセックスに溺れていくの。
プライドが高いくせに子供で、性欲で女を振り回す、クズofクズな洋。
でも、それがいい。ストーカー並みの恵美子の気持ち、わかっちゃうのよね。
だってクズな男はSEXしか取り柄がないから上手いって夜の街の統計で結果出てるじゃない。
それに池松壮亮の色気はヤバい。たまらないわ。
熱のこもっていない冷たい瞳で見下ろされたい、乱暴に抱かれたいって思っちゃう。そして、困らせたいって…。
なに、あのエロさ。あれはずるいわ。そして、濡れる。
でも、もし、初めから両想いだったらどうだったのかしら。
恵美子はそこまで洋に執着しなかったかもしれないわね。
そんな気がするのよ。
彼女を見ているとね。
お父さんがいない子で、すごく厳しいお母さんに否定されながら育った恵美子は自己肯定感が低くて、愛を知らないのよ。
自己肯定感が低いせいで自分なんかが求めても手に入らないと思い込んでるから、愛がほしいわけでも、大切にされたいわけでもないのよ。だから簡単に身体を差しだせるの。
幸せなんて望んじゃいないのよ。
相当病んでるわね。
まあ、とにかく観て頂戴。そして、池松沼にズッポリしっぽりハマっちゃって。
思いっきり高ぶったら、アタシに精気をたっぷり頂戴ね。
アタシは見習い淫魔のフランソワーズ・あけび。
あなたにピッタリのエロスをお届けするわ。
【海を感じる時】
監督:安藤尋
脚本:荒井晴彦
出演者:市川由衣
池松壮亮
阪井まどか
高尾祥子
三浦誠己
中村久美
製作年:2014年
製作国:日本
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