みなさんこんにちは!性に興味津々なあまり、10代の頃から調べに調べて眠れぬ夜を過ごしてきたアラサー女momoです。

読者のみなさんは、「遊女」や「遊郭」と聞いてどんなイメージを思い浮かべますか?

映画の中で登場したり、近年は人気アニメの「遊郭編」が話題になったりと耳にする機会は多数あるものの、学校の授業で大々的に扱われることはないだけに、あまり詳しくは知らないという人も多いのではないでしょうか。

今回は、そんな遊女・遊郭について深掘りしてみました!

実は万葉集の時代から存在する【遊女】

遊女とは、簡単にいうと“男性に性的なサービスをする女性”のこと。ソープランドなど、現在の性風俗産業の原点とも言えるサービスを行っていた女性たちです。

遊女の歴史を遡ると、もっとも古い記録として残っているのは「万葉集」。万葉集に載っている歌の中に、「遊行女婦(うかれめ)」という言葉が登場します。

遊行女婦とは、決まった住居を持たずに地方各地を巡って宴会などに招かれ、歌や踊りなどの芸を披露する女性たちのこと。
もともとは性を売りにする職業というわけではなかったのですが、宴会には地方に単身赴任している男性貴族なども多く、自然の流れで肉体関係を持ってしまったり、客に性的サービスを行ったりする遊行女婦が多く存在したのだそうです。

というのも、当時は男女ともに性にマイナスなイメージを持つ人が少なく、“お客さんを楽しませる”という意味では、歌や踊りとあまり変わらない、芸やサービスの一環として捉える人が多かったのだとか。
次第に、都市に定住しながらも同様のサービスを生業とする女性たちが増えたことから、“客を遊ばせる女”という意味合いが由来となり、「遊女」と呼ばれるようになったのではないかと考えられています。

その後、城下町の発展につれて遊女の数は増え、港や宿場などの客の流入が多い地域を中心に、遊女たちが集う「遊女屋」と呼ばれる店も増えていきます。
そんな遊女屋を、豊臣秀吉率いる政府が取り締まり、遊女たちを一区画に集めさせたことから「遊郭」の文化が始まりました。

治安や風紀の統制、税金を徴収しやすくするため、といった政府の目的の上で始まった遊郭でしたが、一般社会とはかけ離れた華やかで閉鎖的な空間ということもあり、徐々に独自の文化が発展していくこととなります。

【遊郭】華やかだけどシビアな遊女の世界


遊郭の代表的な文化といえば、遊女たちのランク付け。
「花魁道中」という言葉を聞いたことがある人もいると思いますが、実は花魁とは、位の高い最上級の遊女のことを指します。
華やかに着飾った最高ランクの遊女が、見習いや妹分を大勢引き連れて、常連客を迎えに練り歩く様子を「花魁道中」と呼ぶのです。

花魁になれるのは、ほんのひと握りの遊女だけ。容姿やテクニックはもちろんのこと、歌や踊り、楽器やお茶といった芸事、さらに教養も身についている遊女だけが得られる、誇り高い称号なのです。
サービス内容でいえば現在の風俗店に近い印象ですが、トップの花魁に求められるもののレベルの高さには驚きですね。

ちなみに、「太夫(たゆう)」という言葉もありますが、実は太夫も花魁と同じく、最上級の遊女を指す言葉です。
もともと遊郭設立時には、最上級の遊女を「太夫」、その他の遊女を「端女郎(はしじょろう)と呼び、このふたつの階級しかありませんでした。
徐々にランクが細分化されるにつれて、太夫=花魁と呼ばれるようになったと言われています。

遊女たちはだいたい13〜14歳で遊郭に入り、禿(かむろ)という見習い期間を経て、16歳くらいになると初めて客を取ります。
そこから端女郎(はしじょろう)、格子(こうし)などの数々のランクを経て、選ばれし遊女だけがトップに立てるシビアな世界なのです。

遊女と聞くと花魁のような華やかな姿を想像しがちですが、当時の遊女たちは貧しい家庭出身で、家族の借金を返すために働く人が大半を占めていたのが現実。
成功して花魁の地位にまで上り詰めれば良いのですが、格が低いままの遊女はというと…
安い報酬で多くの客の相手をするため性病にかかる人も多く、効果の高い避妊法もなかったことから、妊娠してしまう事例も珍しくなかったそうです。

最終的には、身売りや売春という面が問題視されたことで遊郭の文化は終わりを迎えますが、制度自体の是非は別として、遊郭があったからこそ生まれた、芸や美学、ファッションといった素晴らしい独自の文化が発展したことも事実です。

映画やドラマなど、遊女を題材とした作品が数多く残っているのも、それだけ人々を惹きつける魅力があるからこそでしょう。
当時の遊女たちに思いを馳せながら見てみると、今までとは少し違った視点で楽しめるかもしれませんね。

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momo

頭の中はエロいことでいーっぱい!! 「性の伝道師」と呼ばれた青春時代。 アラサーになった今でも、溢れる欲求と好奇心。 性に貪欲なライターです。

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