皆さまおはこんばんちはー♡
私は結構うっかり者です。
空港へ行って飛行機のチェックインをしていたら、スーツケースを持っていくのを忘れてしまったり、早めに格安新幹線を予約していたら往路と復路が逆になっていたり…。
旅が好きだけど色々と詰めが甘い竹あき嬢です。
皆さまは、ミスをしてしまうことはありますか?

アダルト制作会社でたまに起こってしまう「無修正動画流出」。取り返しのつかないことも小さなミス、認識の甘さから発生してしまいます。
今回はなぜ流出してしまうのか、その背景についてお話します。

何より大事なメインデータ

AV作品は、基本的に撮影したデータをAV制作会社で保管します。
作品用の撮影データだけではなく、現場カメラというもので撮ったデータもあります。現場カメラは、女優さんが現場に入ってからの状況を常に録画していて、撮影に問題がなかったのかを確認するためにあります。(私に対するスーパーパワハラも、この現場カメラのおかげで立証できました☺)
すべての撮影現場で現場カメラを回しているわけではないのですが、適法AV作品を取り扱っている現場では回していることが多いです。

作品用撮影データと現場カメラデータをセットで保管。このデータ量は膨大になります。
さらにSDカードと外付けHDDにコピーしてサブデータを作成し保管します。
どちらもメインデータは納品するため、絶対になくしてはいけません。メインデータはコピーが終わったあと、納品まで会社の倉庫で保管します。

絶対にデータをなくすなと言われていて、各自データをコピーしメインデータ紛失時にも対応できるようにするので、社内でコピーデータが量産されていきます。現場カメラデータは、撮影中ずっと回しているため、データ量が膨大でコピーするのも一苦労。ですが、なくした時のリスクに備えて、各自でコピー。

私の会社では社内で編集も行っていたので、コピーデータを編集部にまわしてモザイクをかけたり、音の調整をしたり、テロップを入れたりして販売できる商品にしていきます。同じ社内なのでSDカードは手渡し。ですが、SDカードは小さい。そのためにうっかりなくなることが頻発していました。

なくなったのを上司に報告すると異常なくらいに怒られるので、報告することはありません。再度データをコピーして、編集部と共有。
どこにSDカードを落としたか不明なため、その後のデータの行方は不明。拾った人に悪意があれば、流出させてしまう危険も。

メインデータに万が一のことがあったときに備えて、みんなでコピーするのでデータの管理をしている人間が多く、データの足取りが掴めません。紛失もよくあり、仲間内で助け合いの精神からすぐコピーするので、無限にデータが作成されてしまうのです。

納品が完了したら、コピーデータを削除する決まりなのですが、週に5本ほど撮影に関わるため、どのデータが何に入っているか確認するのが面倒で、会社のSDカードはHDDの在庫がなくなるまで、全員放置。SDカードは小さいので、なくしやすい。会社の大掃除をしていると、デスクの隙間や、衣装のポケットなどから出てくる出てくる…。

このように納品データ以外は、大切にしていません。みんな怒られるのが嫌なので、バレなきゃいいという精神になってきます。

うっかりデータを消してしまうより、残していたほうが役立つことが多いのです。みんなたくさんデータを持っているので、コピーデータを1,2つなくしたところで問題にもしないし、そもそも誰も気が付かないんです。

私の会社では、PCも会社支給ではなく各自で用意するスタイルだったので、ウイルス対策も万全ではなく(アダルト系のお仕事なので、アダルトサイトもよく閲覧するので、ウイルス感染率も大幅アップ)ウイルス感染して、データが流失してしまっている危険もあります。

悪意があり、スタッフが流出させることもある

誰かがうっかりコピーデータをなくして、拾った関係ない第3者が流出することも考えられます。ですが、拾ったSDカードにはほぼ1作品しか入っていないので、素人が流す確率は非常に低いと考えられます。1本だけ作品を個人で公開しても収益を上げるのは難しく、違法行為に手を染めるリスクに見合わないからです。

明らかに営利目的でコピーデータを違法サイトに流しているのを、見つけてしまうことも多いです。実際に誰かが流出させているのは明白なのに、みんなそれを認めたがらないので、永遠に流出は止まりません。

新作はメーカーも制作会社も流出バレを見回っているので、バレます。発売前のものを流出させると、大問題に。ですので裏ビデオって実は3年くらい前のものが多いんです。

編集を依頼した外注の人が、その動画を個人で営利目的で漏洩させることもあります。そのため、アダルトビデオの編集外注は女性限定としていたのですが、女性だから安全かと言われたら、別にそんなこともない気がします。

一度、編集外注の女性がネットに流して、速攻でバレてしまいました。しかもその女性がモザイク編集を掛けた直後の動画(その人しか持っていない動画)で、バレる確率100%。普通はクビになるところですが、興味本位ということだったので、社内で話し合い、人手不足だからという理由で、その人と仕事を継続することに。こんな風に処分が甘いと、流出は減りませんよね。

他には、制作会社、メーカーの社員が悪意を持って裏ビデオ専門のブローカーに売っているという話を聞いたことがあります。コピーデータを1本5万円程度で買い取って貰えるので、お金に困った人が流しているという噂。
全裸監督にも、スタッフ、監督がマスターテープを横流しし、裏ビデオ作成に関わっているシーンがありましたよね。(全裸監督とは、日本のアダルトビデオの草創期を支えた村西とおる監督の半生をドラマ化したネットフリックスのオリジナルドラマです)
撮影現場で働いているスタッフなら、あるあるー!と共感することがたくさんあります。昭和時代のAV業界のお話なので、現在とは少し違う点もありますが、撮影スタッフの動きについては今とは変わっていない点が多かったです。

また、近年では中華系のサイトで違法に有名女優の無修正の作品が50本以上流出して、大問題になってしまったこともありました。

昔はアナログで、マスターテープのコピーを誰もがすぐにはできなかったので、限られた人しかアクセスできませんでした。今はデジタルデータになって扱いやすい反面、誰でもコピー可能なので、悪意のある人はすぐに悪いことに使えます。

もちろん犯罪行為なので、絶対にやってはいけないのですが、未編集の状態のデータに社内の人間であれば簡単にアクセスできる環境にも問題があると思います。当時もデータにパスワードはついていましたが、みんながアクセスできるように簡単すぎるパスワードで、全部のデータ共通。しかも社内に貼ってありました。
何人も編集作業などに関わるので、完全コピーガードをつけてコピー不可にするのは作業の邪魔ですが、納品時のメインデータを守るために、コピー量産し放題にしてしまったら、本末転倒な気が…。

メインデータが消えたら、撮影をし直さなければならず莫大な費用と信頼の失墜が待っています。ですが、コピーデータの流出も同じくらい大変な気がします。(現時点では、そんなに問題になっていないですが…)コピーを量産しすぎて誰が流出させたか謎なので、流出してしまっても追求もしません。一瞬問題になるけど、時が経てば誰も触れなくなります。

ミスをするのは、できれば避けたい。でも、人間はよくミスをする生き物です。データ消失の危機に備えてコピーをとるのは大切です。ですが、2次コピー以降はきちんと報告して打開策を考える風土ができたら、大量コピーによるデータの足取りが掴めない問題は解決する気がします。物理的によくなくなってしまうSDカードによるデータ保管をやめて、サイズの大きいHDDにだけコピーするっていうように変更すれば、データ紛失が減るのかもしれません。


1番は、バレなくても悪いことはしちゃだめってこと。自分の関わった作品にプライドを持ってもっと大切に扱わなきゃですね。

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竹あき嬢

広島から世界へ。 ふらふらふらふら。アダルト業界の元スタイリスト。エロ作りをしてました。現在旅人。カープ大好き。実は真面目で熱いAV界を語ります。

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