見習い淫魔がエロスをお届け 漫画「コペルニクスの呼吸」
舞台はフランス。主人公のトリノスは、サーカス団「シルクドゥ・ソワール」のピエロなの。でも、このサーカス団、裏では団員に売春をさせているのよ。ブラックだわ。
トリノスは以前、サーカスで空中ブランコに乗っていたんだけど演技中の事故で、弟で相棒だったミシェルを亡くして、空中ブランコに乗れなくなったの。そして、それ以来、弟の亡霊にとらわれているのよ。陰気な風貌のトリノスはサーカス団の中でも疎ましがられていたのだけど、ある晩、日本の外交官オオナギマコトに見初められるの。そして、彼はサーカスを辞めて男妾となり、オオナギが名付けた名前「タケオ」として生きていくことになるのよ。
オオナギはトリノスを彼の別居中の妻、ココに預け、彼女は彼の家庭教師になるの。
そして、そこで彼の弟と同じ名前のココの弟、ミシェルと出会い…。
作者は中村明日美子さんよ。BL作品『同級生』シリーズはドラマCD、劇場アニメにもなりシリーズ累計販売数は150万部を記録しているの。凄いわね。
本作は彼女の初期の作品なの。
『コペルニクスの呼吸』はジャンルとしてはBLに該当するのだろうけど、それに囚われない重厚な重みのある作品だと思うわ。
なんといっても流れるような曲線で描かれる世界、構図も独特なの。
そして優美な詩のようなセリフ、陰鬱で耽美でグロテスクでゾクッとする色気が溢れているのね。
エログロは苦手なのだけれど絵に魔力があるのかしら？それさえも美しく感じてしまい引き込まれるのよ。というより引き擦り込まれると言った方が合ってるわね。
トリノスがとにかく美しくてエロいのよ。彼だけ別の世界に生きているかのようだわ。そんな彼の身体を貪る年老いた男…。美しいものが穢されていく様はエロイわ。変な性癖が生まれてしまいそう。
サーカスという煌びやかな世界の裏側、ドロドロしてひたすら悲惨なのだけれど一度読み始めたらやめられない中毒性のある作品よ。
どうだったかしら？エロい気分になった？
なら、アタシにその昂った精気を分けて頂戴。
アタシは見習い淫魔のフランソワーズ・あけび。
あなたにピッタリのエロスをお届けするわ。
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