先生、春画はオカズに入りますか?鈴木春信「風流艶色真似ゑもん」、北尾重政「艶本色見種」編
春画。江戸時代を中心に流行した艶めかしく淫靡な浮世絵。そんな春画を面白おかしくライトに紹介する当企画。
今回紹介するのは、夫はいるもののセックスレス中の私にはちょっと羨ましくもあるこちら。
鈴木春信「風流艶色真似ゑもん」(1770年ごろ)より一画。
隣の蚊帳の中で始まったまぐわいを見たお爺さんが、ムラムラしたのか股間を露わにしてお婆さんにチュッチュ。
「ほら、あの音を聞いてごらんよ」
と蚊帳の中の男女を指差しています。人のセックスに聞き耳をたてる下世話な爺さんに呆れつつも、お茶をたてる手を止めて満更でもなさそうなお婆さんが描かれています。仲良さげな様子が微笑ましいですね。
それにしても爺さんのキンタマでかくない!?マジ年の功!
意外と多い?「老夫婦の営み」春画
さて、春画には老夫婦のセックスを描いたものが少なくありません。これはあくまで私の想像ですが、祖父母から孫まで同じ家に住む大家族。老夫婦の営みも、決して秘めたることではなく、生活のそばにあったのではないでしょうか。
こちらは北尾重政「艶本色見種」より。
「うらやんで 爺を起こす しうとばば」
の一句が添えられています。息子夫婦の営みが羨ましくなって、こちらはお婆さんから誘いをかけたようです。
若い時と違ってうまく入らず、手マンをしながら焦るお爺さんに向けられたお婆さんの表情のなんと優しいこと!
服を脱いだのに立たないチンポにがっかりし、「ねーまだ?」とか言いながらスマホを触り始める女に見せてやりたい!なんて仮想ヤな女を作り上げて一人イライラしている私にカルシウムをください。
老人のセックス作品、現代の姿は?
さて、春画ではたくさんの老人の性生活が描かれてきましたが、現代のエロ漫画やAVで老人、特に高齢女性の裸を見ることは少ないですよね?
私の経験値と視野が狭いだけで、高齢女性のエロティックな作品も世の中にはあまたあるはず…と某有名アダルト動画等販売サイトで探しました!
「老人」
で検索すると…まあ想像通りと言いますか、ジイサンと若い女(18〜30代)の作品がほとんどを占めます。
あー、今までこれらの作品は見てこなかったけど、なんか老いた男の体に物悲しさを覚えちゃうな。むしろ老いてなおビンビンなんだから、哀愁とは対局にあるはずなのに…ちょっと苦手です。
「熟女」
全然ダメ!知ってはいたけど28歳くらいから熟女扱いだし、40〜50代あたりの作品も体にボリュームがあってハリツヤあって「老い」なんて微塵も感じません。白石茉莉奈様なんて私の中ではロリの部類だわ(怒)
「お婆ちゃん」
恐る恐る検索したけど期待外れ。上にサバを読んでいるであろう、孫なんているはずもないくらいの女性が、孫に手を出す・出される設定が多く散見されました。
これはもう、背徳感を抱きたい癖のみがプッシュしている作品群なのでは?
「超熟」「完熟」「還暦」「七十路」…
検索せどもせども、しうとばばの体を求めているので「若い!全然若い!」と怒る私。クレイジー。新たな性癖の扉を開く前に検索履歴を消さなければ。
ちなみに数件、しうとばばに限りなく近い作品がありました。
需要もかなり少ないのか、サンプル動画がない!でも取材協力御礼の気持ちで購入させていただきました。
えーと、暖かな春がきたら、カルシウムをたっぷり摂ってから見たいと思います。
春画は興奮するためのものではなかった?
私は「春画=江戸時代のエロ本」だと思っていたのですが、数多くの作品を見て、そして今回老夫婦の春画を見て、春画はあくまで生活の一部である性を切り取ったもので、興奮するためだけに楽しまれたものではないのだろうなと感じました。
これだけエロ作品が多様化し、数も膨大な現代のほうが、かえって老夫婦の性事情に触れる機会がなかなかありません。
江戸時代の人々の懐の広さがうかがい知れますね。
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