英語とフランス語で育ち、大学・大学院でアイスランド語やサンスクリット語など10種類以上のマニアックな言語を研究する傍ら、持ち前の語学力を活かして世界中のセレブリティを骨抜きにして参りました、
全人類のラヴドオル「もも奴」でございます♡

春は、自然界の多くの動物たちにとって恋のシーズン。

大概の動物のメスは、冬が過ぎて春が巡ってくると排卵期を迎えます。メスはオスに対して何らかのシグナルを送り、自分たちが妊娠可能な状態であることを伝えてオスを発情させ、淡々とシステマチックな形でセックスに至り、ほぼ失敗なく子を授かるのです。そして排卵期・発情期が過ぎると、出産と子育てに専念するなどして、セックスとは無縁の日々を送ります。

つまり、多くの動物のオスが一部の季節(とりわけ春)にのみ発情するのは、排卵期を迎えたメスと効率よく受精率の高い決め打ちセックスをかまして、確実に子孫を残すためなのですね。

ところが人類はと申しますと、多くの動物たちとは全く異なる非効率な繁殖の道を開拓しました。いったいどういう気まぐれか、メスが排卵をオスに知らせず、隠すようになったのです。隠すどころか、メス自身、自分の体内でいつ排卵が起こっているのかいまいちよくわからないという、不思議な状況。これによってオスは翻弄され、子孫を残すためには大手コンビニエンスストアよろしく24時間年中無休で発情していなければならなくなり、人類は煩悩まみれのスケベ生命体へと進化していきました。合掌。

生物学的にはだいぶ意味不明な繁殖形態ですが、そこには人類なりの切実な理由があったと考えられています。有力なのは「メスが年中オスを発情させてセックスに応じることにより、オスの関心を常に自分に惹き付け、安定した配偶関係を築くことで、オスをぐいぐい子育てに引き込んで自分の負担を軽減させる作戦だった説」。女、賢い。

また人類は、必ずしも生殖を目的とせず、愛情表現としてのセックスや娯楽としての性行為を楽しむことができる高次元生命体へと進化したことにより、他の動物たちが持たない複雑な思考・感情やコミュニケーション能力を手に入れた、と結論づけることもできるそう。いや、そんなもの要らないから、猫やクラゲのようにシンプルに生きたかったよ。

とにかく思春期を迎えたら、死ぬか悟りを開くまで、一生休むことなく “horny[ホーニィ]” で居続けなければならないという、厄介な呪いをかけられて生まれてきた僕たち人類。

セックスしたい!繁殖したい!!というわかりやすい欲動のみならず、真冬の凍える夜に人肌恋しくなって出会い系アプリをインストールしたり、いつも親切にしてくれる美容師さんのことが気になって窓の外からそっと店内を覗いたり、推しに猛烈に課金しまくって破産したりするのも、詰まるところ「”horny“の呪い」から出発する愛すべき愚行といえます。ともすると、あやまんJAPANは人類の「万年”horny“状態」を肯定・賛美し、性欲まみれの悲しき生命体に寄り添う守護天使であると解釈できますね!え!?

さて。”horny“とは、角を意味する”horn”から派生した形容詞。本来は「角の生えた」「角で作られた」「角のように硬くざらざらした」という意味で用いられる言葉でしたが、やがて「動物のいかめしい角」から「びんっびんのマッスルスティック(=勃起したちんちん)」が連想されるようになり、エッチな場面において「欲情した」「性的に興奮した」を意味するスラングへと進化していった模様です。

使い方は至って簡単。「happy」や「excited」といった一般的な感情表現と同じように、be動詞やfeelと合わせるだけ。

▼mmm…I’m horny!
「ん~!ヤりてえ!」

▼I’m feeling horny!
「ムラムラしてきた!」

▼I’ve never been so horny in my life…
「人生でこんなに欲情かきたてられたことはなかったぞ…」

次の言い回しは相手と場面においては失礼にあたることもあるので注意が必要ですが、《make 人 horny》で「人を性的に興奮させる・人を勃起させる」という文章を作ることもできます。

▼Momoyakko’s video works make me horny everynight.
「もも奴のイメージDVDに毎晩勃起させられてる」

また先述の《I feel horny》に “heart” という語を補い、
▼I feel heart horny とするだけで、
性的な意味を含まず「純粋に恋がしたい」という想いを伝える一言として機能します。

ちなみに”horny“は、勃起したペニスのイメージを含むスラングであることから、なんとなく男性的な表現に感じますが、女性が使っても自然な言い回しです。欧米モノAVはもちろん、海外ドラマやハリウッド映画の濡れ場において、女優さんの口から”I’m horny“の台詞が漏れ出す場面は多々観られます。

なんとなく入ったバーでたまたま隣の席に座ったほろ酔いの美女が、終電間際に頬をうっすら桃色に染めて瞳をうるませ、 “I’m so horny now…” なんて囁いてきたら、翌日の仕事やバイトなんて正直どうでもよくなっちゃうね、僕なら。ごくり。

そんなわけで今回は、まもなく到来する排卵と発情の季節に備え、「エッチな気分になっちゃった」「勃ってきちゃった」「濡れてきちゃった」を意味する英語スラング “horny” をご紹介しました。

春は、動物たちにとってだけでなく、人類社会にとっても生命力みなぎる出逢いの季節。うららかな陽気にそそられるがまま、本能の赴くままに行動して、浮かれてみたっていいじゃない。但し、露出狂や覗き魔といった変態も活動的になる季節だから、護身には一層の気を引き締めていきましょうね。

Thank U 4 reading!!
C U next time. xoxo.

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もも奴

英語、フランス語、日本語のトライリンガル教育を受け、グローバルな幼少期を過ごす。 上智大学文学部英文学科、および同大学院文学研究科英米文学専攻にて、古英語、アイスラン...

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