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見習い淫魔がエロスをお届け 漫画「テンペスト」阿仁谷ユイジ著

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アタシは見習い淫魔のフランソワーズあけび。
お願いがあるの。あなたの精気を分けてもらえないかしら?

いきなりでごめんなさいね。驚かせてしまったこと謝るわ。
見習いがイケメンを陵辱できる上級淫魔になるためにはエロい気分で高まった人間の精気が必要なのです。

こっちの世界はめっきり寒くなってきたわね。魔界は寒くも暑くもないので結構過ごしやすいのよ。
実はアタシ、もとは人間だったのよ。場末のスナックのママをしていたの。
ある日、店の階段で足を踏み外してね、あっけないモノね。死んじゃったみたい。
生きていたらこの寒さで体の節々が痛くなっていたと思うわ。
そんな年だったのだもの。
でも、目覚めたらね、驚いたわ。こんなに美人さんになってるんだもの。
転生したのよ。淫魔に。
淫魔ってイケメンにあんなことやこんなこと…できると思って喜んだわ。でも、それは昇級しなきゃダメなのよ。

で、今回はあなたに昇級のお手伝いをしていただこうかなって…。
大丈夫よ。変なことはしないわ。
今日は漫画を用意してきたわ。
タイトルは「テンペスト」。

あらすじを教えてあげる

西暦2012年に太陽系に発生した磁気嵐群(ルビ/フォトンベルト)の影響で、地球上のヒト科のY染色体は絶滅してしまったの。Y染色体っていうのは男性特有の性染色体よ。つまり、男がいなくなってしまったのね。
でもね、残された人類は、卵子同士での生殖に成功するのよ。だから地球は女だけの新たな世界に生まれ変わっってしまったの。
そして、運命の西暦3992年。安斎・Y・姫、が誕生したのよ。<彼>が主人公よ。そう、姫はね、女しかいない、男なんて幻となってしまった世界に男として生まれてきたの。
でも、男だってバレたら大変なことになるじゃない。幸い親は2人とも医者だったので何とか世間の目を欺きながら姫は女の子として生活していくの。
中学生になって姫は恋をするのよ。相手は伊集院・R・皇。凄くモテる子よ。
そんな皇に姫は「お前が私の子をうむのよ」なんて言われるの…。
そして舞踏会のパートナーに選ばれるのだけど…。

姫は女だけの世界に男性として生まれるのだけれど、女として育ったので心は女なのよ。当たり前よね、周りに女性しかいないのだもの。
そして恋をするの。
物語の舞台、新日本には国民の三大義務があって、それが「納税・勤労・出産」なの。出産が義務って…。姫には辛いわね。
ただでさえ人と違う身体を持って生まれてきているのだから。
少女の頃の姫がまた可愛らしくてね。仕草や表情がいいのよ。うるんだ瞳が色っぽいのよね。
皇が惚れちゃうのも、自分の子を産ませたいと思うのも納得だわ。
この、「子を産ませたい」ってもう最大限に惚れちゃってるということよね。
でも、その思いに応えることが出来ない。姫は苦悩するのよ。
姫の苦悩する表情はなんだか被虐心がそそられるのよね。
「もっと泣かせたい」って思ってしまうわ。
作者の阿仁屋ユイジ先生はBLで有名な作家さんなのよ。でも、これは女同士の百合ということになるのかしら?
直接的な性描写はないのだけれど、描かれるキャラの表情がエロいのよ。
頬を染めて恥じらう表情、大粒の涙を流して泣く表情、サディスティックな表情…。全体的に淫靡な空気が漂っている画風は色っぽいわよ。
宇宙規模の壮大なスケールで描かれる姫と皇の物語。
Y染色体を絶滅させたサキュバス現象は2000年の時を経て今度は女性滅亡の危機を迎え…。
ああ、大人になった姫の危うい色気はヤバイを通り超しているわよ。
世界観に圧倒され、色っぽい絵に惹きつけられることでしょう。

どうかしら?昂った?では、その精気をアタシに頂戴。

アタシは見習い淫魔のフランソワーズ・あけび。
あなたにピッタリのエロスをお届けするわ。

【テンペスト】
著者:阿仁谷ユイジ
出版社:講談社
発行:2011年08月05日第1巻発売