ごきげんよう。青子(@nishiaoko)です!

夏は部屋に「G」がよく出るものだが、女のアソコにも「G」があるという。
どちらも黒く、ときに体液を出してくる恐ろしい存在だが、今回は女のほうの「G」を追求していきたい。

博士が起こした奇跡

早々に語源調査の結論を出すが、「G」はドイツ人男性の名前にちなんだ頭文字である。
エルンストという名の男性のファミリーネーム『グレフェンベルク』からだ。
Ernst Gräfenberg(エルンスト・グレフェンベルク)。産婦人科医である。

彼は1950年、400人の女性を対象にした研究で、その秘所の存在を明らかにした。
しかしこの偉大な発見は当時の医学界ではさほど注目されなかったのである。
今から約70年前はまだ女性が膣内で快感を覚えることが何故なのか、よくわからないままに人々はセックスをしていたのであろう。(今もわかっておらずにガシガシと指を入れてくる者は一定数存在するが)

そしてこの奇跡の発見から約40年後、とある女性性科学者が出した著書によりその部位の存在は大きく名が知れていく。

Gスポットの母

その名はビバリー・ウィップル。
彼女の著書『Gスポット(原題:The G SPOT)』は1982年に発売され、19か国に翻訳出版されベストセラーとなった。

ビバリーはその中で女性の最も敏感な部分を“グレーフェンベルク・スポット”と名付けたのだ。

彼女がその部位を知るきっかけとなったのは、セックス・カウンセラーとして長い実績を積み重ねていく中で出会ったある生徒の言葉だった。

『先生、セックスの最中に膣の中から液体が飛び出してくるんです。なぜでしょうか?』

ビバリーは大変驚いた。聞けば、同じような経験をしている女性が何人もいるという。
それまで性科学界の常識では女性はクリトリス以外で性的興奮を感じる場所はないと言われていた。
そこで彼女はそこから膣の内側にも十分な刺激を与えると快感を呼び起こし、液体の射出を促すポイントがあると考えるようになったのだ。

そして多くの女性の膣を医師と看護師に調べさせ、膣口から3~5cmほど奥に入った膣前壁に強い快感を生じさせるポイントが全員にあると気づいた。
混乱した彼女は、深く調べていくうちにとある古い論文を発見した。

そう、それが我らが奇跡の博士エルンスト・グレフェンベルクの偉大な発見、“グレーフェンベルク・スポット”=Gスポットについてのものだったのである。

それらの研究をまとめたビバリーの著書はまたたく間に人気となり、世界中にGスポットという存在を知らしめたのだ。

Gスポットを押されし女優たち

これまで解明されていなかった「女性がオーガニズムを得る場所」というものへの理解が深まるとされ、注目を浴びたGスポットだが、もちろん女性全てがこの部位への刺激で性的快感を満足に得られるわけではなく、個人差がある。

AVというファンタジー映像作品のおかげか、やはりむやみやたらとマンコに指を入れて壁を激しく押せば女は全員体液を出して昇天すると思い込んでいる人間は事実居る。
(ここで”男性”と明記しないのはどちらの性別であってもそう勘違いしている者が多いため。経験の少ない女性自身もそうだと思っている者は実は少なくないはずだ。)

これを書いている私自身も、初体験を迎えるまでは女は大概Gスポットをガシガシされるとアヘアヘになって体液を撒き散らすのかと紅音ほたるさんのAVを見てドキドキしていた。
いつか自分もされてみたい……そんな願望はあったが、いざ実際に男性にそこを強く刺激された際には真顔になったものである。
少しおしっこに行きたい感覚はあるが、全く気持ちよくはなく、体の内側を男性の力で無理やり押され、とにかく辛く、苦しい。
しかしそんなこちらの気持ちは汲み取られることはなく、「全然イかないね」と疲れた顔をしたあの男の声色は今でも忘れない。そして改めてAV女優さんの偉大さを知ったのだ。

果たしてーー女性はそこで快楽を得ることができると教えてくださった偉大な両名にお聞きしたい。

グレフェンベルク博士。ビバリー先生。ーーーGスポットは、​​本当にありますよね?
お二人はガシマン男のためにそこを発見したわけではないはずだと……私はそう、信じたい。

いつか奇跡のオーガズムができるようにーーー自らの「G」を、今はただ暖めながら。

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西青子(すーぱーあお子)

MC・ナレーター。 あやまんJAPANユースメンバー。 Podcastラジオ『変態淑女のお茶会』パーソナリティ。 本業はグラフィックデザイナー。 キラキラ女子のふりをしたオタク。 深夜...

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