突然ですが、あなたには、こんな経験がありませんか?

〜ネットサーフィン中に〜

セックス上手くなりたいから情報収集っと……
ん?なにか書いてある。

「セックスで、あーせいこーせい!(テクニック情報)」

ふむふむ…?!じゃあ次はこういうこと考えてやってみよう…

でも他のサイトでは…

「セックスでごちゃごちゃ考えたら終わりだ!本能のまま臨め!」

なるほど!?やっぱり小手先のテクニックに走っちゃダメだよね…
ありのまま、本能に任せよう!

でもよくある女性の意見としては…

「本能のままがっつく人はありえない!思いやりゼロ!」

いやどっちやねん。
てか、どれやねん。

いろいろ突っ込む前に、ツッこませてもらうわ。

ねえ何なの!!?
テクニックって必要なの?
それとも必要ないの??

セックスってどうすりゃいいの結局!!?
もう答えだけを言ってよ!!

ウッ…!!
ウォオオオオァアアッッッアアン!!ビュッ(潮吹き

…と、誰しも一度はこんな体験があると思います(ない。)

ということで今回は、「結局セックステクニックってどこまで必要なの?」こんなテーマについて、書いていきます。

ではさっそく結論なのですが、人による。(終わったなこの記事)

でも本当にこの言葉に尽きるし、セックスでオーガズムに至る道のりで、必要なテクニック情報を、自分の引き出しとして随時ストックしておくのがおすすめなのです。

セックスにテクニックなんて要らない?

いろいろなサイトやSNSで、今、多種多様なテクニック情報が溢れかえっています。
それに、このシチュエーションではこうした方がいい!こんな相手にはこうした方がいい!など、どんどん情報が細分化していっています。
まあ、私自身も、前回のコラムではセックステクニックについて書いたわけですが…

全部できるわけがありませんよね(めちゃくちゃやなこの記事)

例えば、「料理」を例にとってみましょう。

おいしい料理が作りたいな〜と思ったら、まずは食材に合わせたレシピと調理方法を検索しますよね。
その過程でいろいろな調理テクニック情報を仕入れるわけですが、超簡単な家庭料理レベルのものから、ミシュランレベルのものまであるわけです。
ビーフシチュー食べたいな〜と思って、素人なのに何日もかけてフォン・ド・ボーからじっくりコトコト作ろう!とかやってたら大変です。

考えてみて。たいめいけんのカニクリームコロッケって2個2,900円もするんだよ?????
作れないよォ…. そんな高級カニクリームコロッケなんて….作れないよぉッ!!!

なので、業界歴⚪︎⚪︎年SMクラブ店勤務の女王様とか、ウン先万円売り上げた女性用風俗セラピストとかを見て、「うわあああ…..私/俺のセックステクニックってやばいのかも….ぴえん(古い)」とか、自信喪失しなくていいんですよ。

ミシュランのシェフが料理してるところを見ても、別に落ち込まないですよね?
テクニックとかなくても、お袋が早起きして握ってくれた塩にぎり飯が人生でいっちゃん美味しいとかって思いませんか?

記念日に恋人が一生懸命作ってくれた、手作りスイーツ。
自分の体質や好みに最適化された塩分の、手作りディナー。

もはや完成度を超越して、「こんなに一生懸命作ってくれてありがとう」と胸がいっぱいになる感じ。

私たちが目指すべきは、そういう想いの伝わるセックス。

私たちが美味しい、幸せだ、と感じればそれでいいのです。
セックスってだれかと比べるのではなく、もっと主観的なものだと思う。

「じゃあテクニックは不要??」と言いたくなるかもしれませんが、まったく必要ないってわけじゃないんですよね。

相手をイカせるって何なのか?

やっぱりセックスをするからには、自分も相手もイキたい。
イクということは、セックスの満足度として大切な要素です。

こちらは、日本の性愛を考える上でバイブルにしている人も珍しくない名著『プラトニック・アニマル(AV監督代々木忠)』。
代々木監督は、代表作シリーズ”ザ・オナニー” ほか、現場で生まれた数々の逸話が有名です。
カメラを回すと、AV女優たちがなぜか身も心もさらけ出してマジイキしまくってしまうという、貴重な瞬間をとらえて世に送り出した御仁。

そんな監督は、いったいオーガズムをどのように定義しているのでしょう?
以下、引用してみました。

自分を大切に取っておいたまま、SEXでイクことなどできない。

制度の価値観や固定観念を捨てるときには、徹底的に捨てなければならない。
SEXをするときに、よろいかぶとは脱がなければダメだ。

でもそれは、終わってからすぐまた着ればいいだけの話である。
また着て、約束事や価値観が大切な制度の世界にきちんと戻ればいいのである。

オーガズムの原理はとても簡単である。
しかし、オーガズムを体験するのはとてもむずかしい。

なぜなら、オーガズムとは、制度の世界で自分を自分たらしめている自我=エゴから自分自身を解放する、<エゴの崩壊>であり<エゴの死>であるのだから…。

ープラトニック・アニマル(AV監督代々木忠、情報センター出版局) p.54

つまり、我を忘れてしまうような「忘我(ぼうが)の境地」に至る。
それこそが、”小さな死” と呼ばれることもあるオーガズムなのです。

じゃあどうしたらその境地に至れるのか?
具体的なヒントを得るために、もう一つ、引用してみましょう。

「キミの中にズボズボ入ってるのが見えるよ」
「中が卑猥に動いているよ」
「お尻のほうまで垂れてるよ」
(略)

多くの人々はきっとこういうことを言うのが照れるのだろう。(略)
照れるからこそ、言葉によって人はエゴの崩壊を起こせるのである。

二人でいやらしいことを言い合うことは、だれに迷惑をかけるものでもない。
彼女があなたを信頼し、勇気を出していやらしい言葉を口にすれば、
彼女は自分の言葉によってよりいっそう開かれてゆく。

言葉はSEXの基本である。それは本当の快楽への第一歩であり、その延長線上には間違いなくオーガズムが待っている。

ープラトニック・アニマル(AV監督代々木忠、情報センター出版局)p.71~72

本能的なセックスに言葉はいらねぇ!!という思想の人もいるけれど、どうやらここでは「言葉」はエゴの崩壊を起こさせる手段として必要だと書いてあります。

私自身、言葉によって理性が崩壊し、イキまくってしまう男女をたくさん見てきました。
「好き、好き、好き…」と耳元で囁かれつづけただけで頭が真っ白になってイッてしまった女性もいました。

「ゆっくり服を脱いでごらん」「見せてごらん」「すごく恥ずかしいね、キミはえっちな子なの?」など、恥ずかしい言葉を浴びせられてビッショビショになってしまった女性など…

ただ、いやらしい言葉責めテクニックって結構むずかしいんですよね。

いくら、いやらしい言葉を浴びせ合うだけだとはいえ、相手のセンスが壊滅的な場合もありますよね。笑
「うーん、なんだかむしろ言葉選びで萎えちゃう…」
こんなすれ違いは往々にしてあります。

また、「言葉はいらないむしろ没頭したい」ということで、必ずしも言葉を介さずにオーガズムに至っているプレイも存在します。

こんな体験談を耳にしてきた私は、恐れ多くも、あえてこう付け足したいと思います。

エゴを崩壊させて余裕を奪えるのなら、手段は言葉に限らないのでは?と。

余裕を無くせれば、道は開ける。

人それぞれ、自我が崩壊するような興奮のシチュエーションは異なります。
それぞれの「崩壊シミュレーション」があるわけです。
なので、結論。

目の前の相手を崩壊させる=あなたにとって必要なテクニック

ということかなと。

例えばSMでビシバシ叩かれたい人もいますし、恥ずかしいことが大好きとか、露出したいとか、鏡に映したいとか…。
それは、イタリアン、フレンチ、和食と、それぞれジャンルが違うだけで、「うまい!」に辿り着こうとする志はきっと同じなのです(たぶん)。

もしかしたら、お互いのことを「好き!好き!ああああ好き!!」と求めあう感情だけでも、いともたやすく自我が崩壊する人もいるんじゃないでしょうか?
それって、もはやベッドの上のテクニックではなくて、日常生活だったり、ベッド外のことで9割以上決まってしまってる状態ですよね。
※相手のことが簡単に手に入らない不倫恋愛などはこの要素が非常に強いので定期的にブームになるのかなって思っています

あなたは、誰のことを崩壊させたいですか?
あるいは、あなたはどうやって崩壊させられたいですか?

そんなことを念頭におきながら、セックステクニックの情報に向き合っていくと、きっと迷わずに血肉に変えていけるんじゃないかなって思います。

あなたが崩壊しまくり人生になるよう、お祈りしております。

それでは、また来月!

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なつえり(夏目江理)

セックスカウンセラー/ブロガー。日本性科学会会員。 「性を通して人生を楽しくする」が発信理念。 24時間365日エロいことを極める、生きるセルフプレジャー。

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