ようこそ、茶会へお運びくださいました。
今宵も星の宿を眺めながら、一緒に古に思いを馳せましょう。

今日の茶菓は『みたらし団子』
まあるい団子が串に刺さって綺麗に並んでるわ。トロリとした、琥珀色のみたらしの照りが肉感的で可愛いらしいわよね。

お団子といえば「花より団子」。あなたは今年、どんなところで桜を見たかしら?わたくしは、今年は城址公園に出かけたわ。それも何ヵ所もイッたの。

城址公園には復元された櫓や石垣があって、桜の木もたくさん植えてあったわ。満開の桜がお堀の水面に映る様子なんて、風情で心が奪われるの。そして、それを見に来る人たちのウキウキした様子もまた、よいモノね。

【戦国武将達のBL】

わたくしがイッた城址公園の石垣は当時のままだと説明書きがあったわ。
武将や姫君、下働きの人々が、お城でどんな生活をしていたのかしら?
きっと、戦乱の世に生きながらも、茶菓やお酒をたしなみながら、桜を愛でていたのでしょうね。

ただ、長い戦になってしまうと、遠征でお城の桜を愛でることも叶わなかったでしょうね。
そんな命をかけた武将たちの姿は、さぞ逞しく立派だったことでしょう。
でも、戦場には姫君を連れていけない、男だけの生活。そんなところでの武将達の射出は、釖持とよばれる小姓たちが担っていたことをご存じかしら?
そう、武将達の間では男色文化があったの。【衆道(しゅどう)】と言われているものよ。

戦乱の世を男らしく生き抜いた凄腕の武将、織田信長や武田信玄、伊達政宗なんかも、男色を楽しんでいたのよ。よく言われるのが、織田信長と森蘭丸。森蘭丸は美少年として描かれることも多いわよね。ただ、文献などの資料は残っていなくて、これは俗説という考え方もあるの。

【戦国武将の恋文】

でも、伊達政宗や武田信玄は男色を楽しんでいたという資料が残っているの。お気に入りの小姓にあてた恋文が残されているわ。
その恋文の始まりは、2人とも小姓への謝罪から始まっているのよ。面白いわよね。

伊達政宗の恋文は、酒癖が悪い政宗が酔っぱらって、お気に入りの小姓を罵ったことへの謝罪文。酒の席で愛する小姓に、自分を裏切った浮気者だと言いがかりをつけたの。
小姓としては、相想い、命をかけてでも守りたい政宗から、あらぬ疑いをかけられ罵倒され、それは衝撃だったに違いないわ。

そこで、疑いをかけられた小姓は身の潔白を政宗に示すために、刀で自分の腕を突いて、己の言うことに嘘偽りがないことを、神仏に誓った起請文(きしょうもん)というものを書いたの。
ものすごい逸話よね。愛の力を感じるわ。

武将達の衆道は男色としての性愛だけでなく、主君に対する服従の精神、忠義を大切にした『契り』としての意味合いもあったの。深い愛、永遠の愛を感じてしまう。なんて官能的なんでしょう。

それに対し、武田信玄は『浮気をしてごめんね』の恋文を送っているの。お気に入りの小姓に一生懸命釈明する様子が伺える手紙なの。
武田信玄といえば、馬を乗りこなし勇ましく知的な名将。そんな信玄が、言い訳交じりの恋文を送っているなんて、なんだかとてもチャーミング。

衆道は江戸時代に入っても続いていて、武士道の心得を書いた『葉隠(はがくれ)』にも、男色のことが書かれているの。
武士たちの中では、男色は主君への忠義を示すためのもの、出世のためのものとして当たり前にあったのかもしれないわね。

【松尾芭蕉の俳句】

武将たちの他にも、奥の細道で有名な松尾芭蕉も、一緒に旅をしていた弟子と愛を語り合う仲だったといわれていているの。
旅の途中に《寒けれど二人寝る夜ぞ頼もしき》なんていう耽美な句を詠んでいるのよ。
人肌のぬくもりを感じる優しい句だわ。

【BLの歴史】

男色の歴史は古く平安時代には既にあったといわれているわ。室町時代には庶民の生活になじんでいたみたい。どんな形でもあっても、愛を当たり前に受け入れ、楽しむ、おおらかな日本人の姿を感じるわね。

古の日本では許容されていた男色の文化は、外国からきた宣教師からすると罪を犯しているモノたちだったの。だから、西洋の文化がどんどん入ってくるようになった明治時代には徐々にタブー視されていったの。心悲しいわね。

でも、現代は原点回帰。愛は様々な形があっていいの。そして、その愛を表現して、欲望の赴くまま求めて良いのよね。わたくしは、そう感じるわ。愛って、なんて素敵なのでしょう。

ああ。わたくしも愛を深く求めたくなってきたわ。
溢れる愛を身体いっぱいに感じて、満開の桜の世界にイキたいの。

さあ、今宵はもうお開きにしましょう。
茶会は股、開きます。次回もゆっくり入ってきてくださいね。

お口に淹れる、おいしいモノを準備してお待ち申し上げております。

では股。ナニとぞよしナニ。

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フェラメール玉響

色欲たっぷりのM淑女、フェラメール玉響(たまゆら)です。 官能的な言葉責めで、しっとり潤います。 日本の美を愛し、快楽の所作を探求する日々。 エロティックな歴史をたどりなが...

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