カウンターからこんばんは!
N.Yでバーテンダーライセンス取得。心理カウンセラー3級でもあるCrystal Hazuki が『酒場のネタになる話とオススメの1杯』をお送りします。

【ラブホはなぜお城なの?】

子供の頃に、「わぁ☆お城がある‼️入ってみたいなぁ♡」なんて思ってたら、思春期になりその正体が“ラブホテル“だと知って愕然とした経験はありませんか?

自由の女神が屋根の上に乗っているラブホも見かけるが、こちらに関しては

自由の女神=ニューヨーク=入浴
はたまた、自由の女神=自由

ってことではないか?と素人の私でも容易く想像出来る。
だが、なぜラブホがお城なのかはイマイチ謎なので調べてみた。

ラブホテルは外観がとても大事である。
なぜなら約50年前までは、おおっぴらに宣伝できないぶん外観を目立たせることが宣伝の代わりとされていたからだ。
その先駆けとなったのが1973年に誕生した、一目でラブホとわかる派手な外観と豪華な内装を売りにしたお城風のラブホテル「目黒エンペラー」だ。
ホテル側に「外観をお城にすれば目立つだろう」という思惑があったのではないか?と考察する。

こちらのラブホテルはとにかく有名なので、ご存知の方も多いだろう。
派手な外観と豪華な内装に留まらず奇抜な仕掛けも満載だったため、それまでの″連れ込み旅館″のイメージを一掃した。
当時マスコミが押し寄せ大変な話題となり、都内だけでなく全国から客が押し寄せたそう。
この戦略が大成功したのを受け、全国の同業者が目黒エンペラーにあやかろうとお城風ラブホテルを真似したことで、日本中に一斉に広まったと言われている。
また、ラブホテルには特殊な建築規制条例があるため、建築を請け負えるのは数社しかないそう。
その数社が全国にホテルを作っているので、似たような外観のホテルが多くなってしまったようなのだ。

しかしその後、ラブホテルの外観はシンプルでシックなものへ変わっていく。

1985年、新風営法が施行され、立地条件が限られてしまった。そこでラブホテル禁止区域でも建てられる、新風営法の定義に当てはまらない、旅館として登録するホテルをつくる流れができた。
さらに、直接的な言葉を避けたい女性がラブホテルのことをブティックホテルと言いはじめ、派手な人目を引くラブホテルよりもスタイリッシュでシンプルな、ハイセンスなものを求めはじめた。
また、お城のような外観にくらべ建築費を安く済ませる事が出来た。

こうした理由により、シンプルかつシックなホテルが増加し、お城風のホテルが減少してしまった。

現在はニーズの多様化に伴い、様々なラブホテルが登場している。
利用客のあらゆるニーズに応えられるよう、セクシャルな仕掛けを強みにしているホテルもあれば、リゾートや癒やしを強みにしているホテルもあり、最近ではビュッフェが設けられていたり温泉に入れたりと独自の特色を出すホテルも増えてきた。

益々進化するラブホテルに今後も注目していきたいと思う。
女性はだれでもお姫様になってお城に住んでみたいという願望が…そんなロマンチックな1杯を。

キャッスル・ディップ

そんな訳で今回オススメのお酒は
キャッスル・ディップ
アルコール度数30度。

1930年に出版されたサボイ・カクテルブックに掲載されているレシピが1番古いと言われている。
ロンドンで作られたこのカクテルは、ヨーロッパのお城をモチーフに考案されたそう。ミントが好きな方には特におすすめです。

レシピ
☆アップルブランデー
☆クレーム・ド・ミント・ホワイト
☆アブサン
作り方
レシピを全てシェーカーに入れシェイクし、冷えたカクテルグラスに注ぐ

お試しあれ。

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Crystal Hazuki

8年くらい海外(オーストラリア、ニュージーランド、中国、アメリカ)に住んでみたり、3年くらいアイドルやってみたり、1年くらい吹き硝子学んでみたり、6年くらいあやまんJAPANユー...

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