AV業界裏話75 夏も冬も地獄!? 撮影現場がとにかく過酷な理由
みなさま、おはこんばんちはー♡
日本には四季があって、季節ごとの景色や空気の変化が本当にきれいです。
海外からの旅行客が、日本の四季折々の風景を楽しみにやって来るのも、なんだかわかる気がします。
みなさまは、どの季節が好きですか?
私は断然、秋派です。
過ごしやすくて、ごはんもおいしくて、空気も澄んでいて。
何を取っても、ちょうどいい。
……だったはずなのですが。
近年の夏、長すぎませんか。
そして、暑すぎませんか。
春と秋はどこへ行ってしまったのか。
年々、夏だけが自己主張を強めてきている気がします。
というわけで今回は、暑くて、寒い。とにかく過酷なAV撮影現場について書いていこうと思います。
雑音は絶対NG!!
AV作品は、とにかく「音」に厳しい世界です。
ほんの少しの雑音も、基本的には許されません。
スタッフの足音。
思わず出てしまった咳や、くしゃみ。
それだけで「撮り直しです」となることも珍しくありません。
女優さんの体から出る音、声、細かな吐息まで逃さず拾うため、それ以外の音を出すことは、極力NG。
ですから、クーラーや暖房といった冷暖房設備も、使えません。
撮影直前まではガンガンに冷暖房を入れておいて、カメラが回った瞬間にオフ。
夏は倒れそうなほど暑く、冬は白い息が出るほど寒い。
夏はとにかく暑すぎる。
おでこに冷えピタを貼って、みんなで耐え凌ぐのが当たり前の光景です。
冷えピタは一人一枚では足りず、途中で貼り替える人も出てくる。
それでも、体感温度はほとんど変わらない。
床には汗。
誰かの落とした汗を踏んで滑り、危うく転びそうになることもあります。
機材を抱えたまま転びそうになると、一瞬ヒヤッとする。
撮影前になると、全員が一斉に制汗スプレーを噴射します。
いろいろな制汗剤の匂いと汗の匂いが混ざり合い、異臭が漂って吐きそうになります。
冬は冬で、また別の問題が出てきます。
今度は凍える寒さです。
吐く息が白くなるほど冷え込み、スタジオの中なのに、外にいるような感覚になることもあります。
空気は乾燥しきっていて、喉を守るためにのど飴、マスクが常備されている現場も少なくありません。
空気が乾燥していので、咳をしてしまいそうになります。
ですが、うっかり咳をしてしまえば、即カメラストップです。
寒さで手がかじかみ、撮影機材の細かいボタン操作が一気に難しくなります。
録画ボタンを押したつもりが押せていなかったり、逆に止めてはいけないところで止めてしまったり。
しょうもないミスでも、現場では致命的です。
こういうミスが発生すると、もれなく全員が現場監督に怒られる。
そして撮り直しが発生するため、撮影時間が押してしまいます。
誰か1人の失敗というより、環境そのものがミスを誘発している空気があっても、現場ではミスをすることは決して許されません。
暑くても地獄。
寒くても地獄。
この過酷さは、スタッフだけのものではありません。
出演している女優さん、男優さんにとっても、同じです。
スタジオの冷暖房設備が老朽化していて、どうしてもモーター音が大きくなってしまう、という事情もあります。
ただ、例外もあるんですよ。
電車の中、ガールズバー、ファミレスなど、もともと人の多い、ガヤガヤしたシチュエーション作品の場合は、空調をつけたまま撮影することができます。
そのため夏場になると、こうした「うるさめ前提」のシチュエーション撮影が増えがちです。
近年は夏の暑さがあまりにも過酷なので、撮影スタッフも演者さんも、「シチュエーション撮影だ!」と、大喜び。
また、ローションには体を冷やす効果があるため、真夏の撮影にはぴったり。
ローション風呂の撮影が、夏場に頻発するのもその理由です。
季節ごとに、向いている撮影内容があるんですね。
一方、冬。
冬は、音の出ない暖房器具たちが大活躍します。
ホッカイロ、パネルヒーター、ホットカーペットなどなど。
夏よりは、ほんの少しだけ過ごしやすくなります。
女優さんの絡みシーンでは、シーツの下にホットカーペットを仕込んだり、カメラに映らない位置にパネルヒーターを置いたり。
それでも寒い日は寒い。
女優さんの手が冷えてしまい、男優さんに触れた瞬間「冷たっ……!」とびっくりして、ちんこがしおれてしまう、というトラブルも起きがちです。
冬の撮影現場、あるあるです。
命を守るための「無音クーラー」を切実に希望
ここまで音にこだわる理由は、一般的なテレビや映画と違い、AV作品には基本的にBGMが乗らないからです。
ほぼ、ありのままの音。
その場で起きていることを、そのまま作品にする世界。
だからこそ、余計な音は極力排除されてきました。
ただ、これから先の日本の夏を考えると、このやり方がずっと続けられるのか、正直不安になります。
このまま撮影中に冷房を使えない状況が続けば、いつか本当に、熱中症で命を落とす人が出てしまうかもしれません。
個人的には、クーラーのモーター音や、スタッフの小さな咳が入るくらいなら、別にいいんじゃないかとも思っています。
それも含めて、「これはフィクションですよ」と、さりげなく伝える要素になる気がするからです。
多少の雑音を許容する流れが、これから少しずつ進んでいってほしい。
そして何より、技術の進化に期待しています。
完全無音のクーラー。
命を守るための、無音クーラー。
本気で、開発されることを祈っています。

これからの時代、安全と作品づくりのバランスをどう取っていくのか。
作品を見ていると、女優さんも男優さんも、何事もない顔で、きちんと演技をしています。
でもその裏側では、暑さや寒さと戦いながら、みんな「涼しい顔」をしているんです。
作品の中では見えないけれど、その一瞬一瞬は、ぎりぎりの環境の中で作られています。
快適な職場温度で仕事に挑める日が訪れてほしい。
今日も現場では、誰もが何事もない顔で、カメラの前に立っています。


