ごきげんよう。青子(あお子)です!
男性の皆様が普段やっているその「センズリ」やら、「ヌく」やらの行為。
果たして、言葉の本当の意味を知ってるだろうか……?

「センズリ」は風流な句から?

“千摺り(せんずり)は隅田の川の渡し銛(もり) 竿を握りて川をアチコチ“
これは江戸時代に作られた川柳だ。
自ら性器を握り、上下にこすって刺激をするのが男性のオナニーだが、まさにその様を描いた句である。
当時の人は、その姿を隅田川で盛んに往復する渡し船にたとえたのだ。
「竿」は男性のシンボルを、「川」は皮をかけたもの。なんと風流な表現だろうか。

この川柳から、江戸時代から『千摺り(せんずり)』という言葉が存在することがわかる。
つまりセンズリ……もとい、千摺り(せんずり)とは、「男性器を手で幾千回も擦り続けること」である。
せ、1000回もペニスをこする……?500回こすりくらいから赤玉が出そうなものだが……。
ともかく、『千回こすれば射精する』といったところからこの言葉はできたそうだ。

「シコる」は擬音から?

センズリよりも現代ではこちらの方が一般的に感じる言葉だが、語源は諸説ある。

まず、男性がオナニーをする際の擬音を「シコシコ」と表現することがあるが、この言葉にも意味がある。
①しこ‐しこ 持続的に地味な活動をするさま。(『大辞泉』より)
②しこしこ 他からの助けを借りず、着実に努力し続ける様子。(『新明解国語辞典』より)

私は上下にこする際の擬音からこの言葉が生まれたのだと思っていただが、地道に努力する姿を「しこしこ」というので、それがそのまま男性のオナニーへとつながったとでも言うのだろうか。

ともかく、この「しこしこ」から、「しこる(シコる)」という言葉が生まれたのだ。

ーーーまたそれとは別に……これに漢字を充てれば『凝る』という書き方もできる。
「凝る」とは、ある物事に熱中して打ち込むことだ。
この夢中になるというところから、凝る=オナニーとして自慰行為に繋がるようになった、という説も存在する。

「ヌく」は掲示板から?

不思議なことに、男性のオナニーが「抜く」と表現されるときもある。
しかもそれは、いにしえの2ちゃんねる掲示板からだという説がある。

2ch的な記法では、オナニーを「オナヌー」と書き込む住人たちがいた。
そして、オ+ナ+ヌ=抜……といったところなのだと言う。

(出典:https://wikiwiki.jp/moudameder/%E6%8A%9C%E3%81%8F)
ここから、男性が行う自慰行為を「抜く」と呼称するスラングが発生した。
また「抜」という漢字は、「手」+「友」となることから”ペニスの友達は右手!”といった見解もあるそうだ。え、これ、マジ?
しかし、これが正規の説かどうかは定かではない。

しかし今では受動的な意味として「抜いてもらう」などという使い方をするためーーこれは射精を促す行為を受けるものでありーー、「抜く」がオナヌーという意味だけでは無くなっているのは事実だ。

女性のオナニーは何と言う?

男性のオナニーの名称は「マスカキ」もある。
これは率直に「マス」が「マスターベーション」を略したもの
正式には『マス掻き』と書き、”掻き”とは先の鋭いものを押したり引いたりする行為だ。

他にも手淫、マスターベーション、ひとりえっち、自分磨き、自家発電、ソロ活動などなど……男性のオナニーの隠語として活躍できるそうな言葉はこの世に無限にある。

ーーーしかし、所変わって女性はどうだろう?
女性のオナニー。すぐ浮かぶ隠語……「マンズリ」という言葉はあるにはあるが、日常会話でオナニーのことをそう言う女子を見たことはない。
「昨日マンズリしちゃってさ〜!」「えー私も抜いちゃった☆」
……そんな会話は聞いたことがない。
そもそも、女性はオナニーを語らない問題がある。
男性同士はブッこいたことを笑いにできるが、女性同士での自慰行為報告は非常に稀だ。異性に言うことはもっと稀である。

なので私は、恥ずかしくない女性のオナニーの名称をいくつか考えてみた。

センウメ

男性のそれが千回擦ることならば、女性器の穴を千回何かで埋めるのはどうだろう。
穴を使わないタイプの女性には合わないが、センズリだってアナルを使う男性にはそぐわない言葉のはずだ。
穴をこするタイプの自慰方法を取る方は少ないだろうし、大体は何かで埋めるはずだ。卑猥な響きではないので言いやすいのもポイントである。

チキュる

女性の恥骨がある部分を恥丘(ちきゅう)と言う。具の部分をもじると卑猥なので、あえてこの手前の部分を使うことで色んなスタイルのオナニーに対応しようという魂胆だ。
しかも響きがちょっとかわいい。『チェキる』に少し似ている。平成レトロ感もあるな。
「昨日チキュれなかったぴえん🥺」「おしゃピク前にチキュるなう💗」
おお……めちゃくちゃそれっぽい。いいやん。

これ、考えるのが楽しいので一回これだけで企画できそうである。

……しかし、女性のオナニーは「セルフプレジャー」という言葉でも表記され、すでに「セルプレ」という言いやすくて便利な言葉も存在するのであった。
が、SNSで「#セルプレ」を調べてみたら性のことを書いている人もいたが、なんとコーヒー界隈の方々の投稿も見られた。
自分で淹れるコーヒー=セルプレということらしい。

大変なことになった……。
これでは今後、この「セルプレ」を巡って自慰界隈とコーヒー界隈がバッチバチになってしまうではないか。しかもどちらも自らの手を使って自らを愉悦させるものだ。
まだ一般化していない言葉、「セルプレ」。
果たしてどちらの界隈が勝利の栄光を掴むのか。余生の楽しみの一つになりそうだ。

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西青子(すーぱーあお子)

MC・ナレーター。 あやまんJAPANユースメンバー。 Podcastラジオ『変態淑女のお茶会』パーソナリティ。 本業はグラフィックデザイナー。 キラキラ女子のふりをしたオタク。 深夜...

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