服飾系の専門学校を卒業後はパリに移住しファッションカメラマンに。
帰国してハプバーで店員をしているうちに出会った女性のヒモになった後、AV監督となったさもあり監督(38歳)。
監督歴は10年。その初期は紆余曲折はあったものの、2020年頃から徐々にブレイク。
自身のM男願望をむき出しにした、攻めたい女性と攻められたい男性の甘サドな関係性と、女性が男性の乳首を気ままにいじるフェチ性が“どエロい”と評判になり瞬く間に売れっ子監督になりました。

さもあり監督のAV監督になったきっかけから、撮影へのこだわりと今後の野望など、いろいろと聞いちゃいました!


――服飾系の学校に行ってたんですね。

少女漫画の『ご近所物語』が好きでファッションの仕事につきたくて、服飾系の専門学校に行きました。それで卒業後はフランスでファッションカメラマンになったんです。仕事場ではヌードも撮りながら、ルイ・ヴィトンを持ってる人を追いかけるスナップ写真なんも撮ってたんですよね。

――超かっこいいですね。

当時は路上パフォーマンスから世界的に有名になったバンクシーやバスキアに憧れてて、僕もゲリラ的に活動してたんですよ。でもそれで成功するのは天才だけ。無能な僕がやってもただ目立ちたいバカでしかなく、それを肌で感じたんですよね。

――その後、帰国を?

したんですけど、日本の性産業に興味を持って、ハプバーなどのアングラ業界でバイトしたりしていろんな性交体験をしてたんですよ。途中ヒモになったりバイクレーサーにもなったりして。それで自分に合ってて何か手に職をつけたいと思った時にAVメーカーに就職して社員監督になったんです。

――2020年頃に甘サドや乳首いじり系のジャンルに特化するようになるまで、紆余曲折あったのですね。

そうですね。自分はわがままなM男なのに、反動で陵辱系の作品を撮ったこともあったんですが、まったく売れず。逆に自分の願望をむき出しにした作品を撮るようになったら売れ出したと。乳首といったらさもありだ、くらいに言われるまで頑張ろうと思ってました。

――さもあり監督といえばフォロワー数の多さですよ。フォロワー数15万人もいるAV監督さん、そうそういません!

僕は名前を売りたかったし、AVはつまんないと言ってる若者にこそ見てほしかった。だからアダルト配信サイト用の約2分間のサンプル動画以外に、自分のSNS発信用の短尺動画も作った。調べによると、SNSで最も見られる動画の尺は約15秒で最長でも40秒だと。そのリサーチに基づき作品ごとにSNSに短尺動画をアップしたんです。

――若者たちは長尺動画は見ないですからね。

はい。セコいですけど複数の別アカウントを作り『さもありの乳首AV最高』など自らの作品を持ち上げまくるツイートをコツコツして地道に拡散しました。

――セコいですけど大事ですね。それにやっぱり、AVの撮影現場に使う乳首いじりマニュアルを公開したツイートもバズってましたよね。

はい。僕の現場では台本以外に“乳首いじり資料”があり、これをあらかじめ女優さんに見ていただきます。それは20ページ以上にも及び、いじり方を写真や図解説しています。いくら女優さんといえど最初から乳首いじりの天才はいないので“こうしてほしい”という方法をレクチャーする必要があったからです。

――ご自身の性癖もあるとはいえ、乳首いじりにそこまで特化したのはなぜでしょう。

よく“AVは教科書じゃない”という発想の逆手を取りたかった。大半のAVは派手な潮吹きや女性がイクことが前提だったりするけど、僕のAVでは潮吹きはマストじゃないし女優に“イク”とも言わせない。それより大事なのは“男性を責めたいけどどう責めたらいいかわからない”女性に“まず乳首をいじることから”を教えるテキストにもなってるかなって。

――なるほど。なんかこう、さもあり監督の作品からはカップルの生配信のような生々しさというか、臨場感があるんですよね…。エロさだけでなく、エモさもある。

僕はAV撮影はスナップ写真の延長線上にある記録映像だと思ってるんです。日常の中の出来事を切り取る作業だから、なにも一台のカメラで追わなくていいし、いろんな角度からそれを切り取りたい。だからカメラを室内のあちこちに設置したり、時には女優にスマホを持たせて撮らせたりして、それらを繋いで編集してます。照明機材も一切置かずに地明かりで撮るのも、わざとらしい明るさの演出をしたくないからです。

――他のAVみたいに結合部のアップみたいなのもないですしね。

そうやってビジュアル的に訴えたいのではなく、僕はあくまでシチュエーションで興奮させたいんですよね。

――でも、AV新法が設立されるなど、どんどん制限ができて大変ですよね。

まあ、新法というより日本のAVはモザイクの問題もあって世界で勝負するのは難しい。これによって外貨が稼げませんよね。僕はAVは一生撮っていきたいし、仕事が先細っていくのは嫌だから、日本のAVを世界に広めるにはやはり撮る人間が外に出るしかない。僕がその先駆者となれればなあとは思ってます。

――海外で人気のAV女優さんは多くいますが、監督というのはまだいませんもんね。

はい。やっぱりカメラマンとして世界に負けたって感覚は今もあるから今度はAVで世界に挑戦したいと思いますね。日本のアニメや漫画が世界で認められているように、僕のAVが海外でも認められる存在になり、そのパイオニアになれればって思ってます。

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河合桃子

ライター歴20年以上、おもに男性週刊誌記者でAV業界や男女の性欲に関する記事を担当。 2児の母でママ友からエロ話を聞き出すのが得意。 生涯の課題は“エロと美容”。

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