4月23日に開催された『フェチフェス22』。潜入取材を敢行したmanmam編集部も、たくさんの美女たちとの出会いがありました。なぜ彼女たちはフェチフェスに出展するのでしょう?そこには十人十色、それぞれの理由があるのです。
今回は『フェチフェス22』に「りなわ倶楽部」として出展を表明していた女流緊縛師の結月里奈さんにインタビューを決行。なぜフェチフェスに出続けているのか、お話を聞かせてもらいました。


――結月さんはフェチフェスには第一回目から出展しているそうですね。

結月里奈「はい。フェチフェス歴は10年です。最初は何で出たんだったかな……誰かに声を掛けてもらって、そのまま流れでって感じだったような気がします」

――その頃にはすでに女流緊縛師の活動はしていたのでしょうか。

結月里奈「そうですね。緊縛を学び始めたのが2011年なので、もうすでにやっていました。私はもともと学生時代から読者モデルをやっていて、その後レースクイーンとして活動していたんです。レースクイーンを辞めた後、一年くらいダラダラしていた時に友達がSMバーで働き始めて『遊びに来ない?』と言われたのが一つの転機でした」

――以前からSMに興味を持っていたのですか?

結月里奈「なかったわけではないですけど、その時点ではそこがSMバーだということを全く知らなかったんです。でも、行ってみたら、ライオンの輪っかがついてるトントンってノックするタイプのすごい扉のお店だったという(笑)。『何この店!ゴシック調で可愛い!』って思わずテンションが上がって、『いらっしゃいませ』って中から出てきたのがボンテージ姿の女王様でさらに興奮!もともとコスプレ好きではあったんですけど、本物のボンテージは着たことなかったんで、『私も着たいー!』ってなっちゃったんです」

――瞬時にしてSMバーの虜になったわけですね。

結月里奈「そうなんです。気づいたらそこで遊ぶこともお店の空間自体も大好きになっていて。そしたらスタッフさんたちから『ここで働いてみたら』って勧められたんです。最初は『お店は好きだけど、働くとなるとどうなんだろう』と思って月に2回の出勤からスタートしたんですが、すぐに週4、週5とフル勤務になりました」

――緊縛を覚えたのは、その後のことでしょうか?

結月里奈「はい。お店のプロデューサーから『縄をやってみたら?』と言われて、本格的に習うことを考え始めました。実は一度だけ有末剛先生の緊縛の授業を受けたことがあったんですが、手先の器用さが求められることは私には無理なんじゃないかと思ったんですよね。でも、できないことが悔しかったのと、純粋に面白いなと感じたのでやってみることにしました。本当はその頃、お料理教室に行くかお花を習おうとしてたんですけど、それが緊縛教室に変更になりました(笑)」

――花嫁修業みたいな習い事の予定が、急すぎる方向転換ですね(笑)。緊縛は著名な先生に習いに行ったのですか?

結月里奈「いえ。予算がなかったので、山手線内で一番安かったところに行きました(笑)。初級コースで一回2000円のやつ。流派があるなんてことも全く知らず、勘だけで決めたんですが、日本一複雑な後手縛りをやってるところでしたよ」

――授業料2000円は確かに破格ですね。そこから何回か通って、縄を会得していった感じですか?

結月里奈「それが、初めて教室に行った2日後にお店から『来月里奈ちゃんのお誕生日だから緊縛ショーをやってみたら?』と言われて『あ、いいですね』と軽く返事をしちゃったんですよ。そこから先生に一ヶ月みっちり特訓してもらって、なんとかショーを乗り切ったんです。そしたら、またすぐに次のオファーが舞い込んできて、今度は劇場でショーを披露しないかと」

――始めて1ヶ月で劇場デビュー?!急スピードすぎやしませんか?

結月里奈「先生にも『急にそんな仕事を受けて……』と怒られました(笑)。でも、また特訓を重ねてどうにか間に合わせられました」

――初の劇場ショーでのお客さんの反応は?劇場のお客さんって、そうとう目が肥えているイメージがあるんですが。

結月里奈「『変なのが出てきたぞ!』って感じでしたね。反応としては、なんじゃこりゃっていう人と、面白いっていう人の半々だったと思います。今でこそ、私みたいにコスプレっぽい衣装の緊縛師は珍しくなくなってきましたが、12年前は乳首バッテンで裸エプロンの双子コーデでショーをやる人なんていませんでしたから。モデルも緊縛師も受け手に見えるので、わかりやすい女王様の緊縛ではなかったんですよ。お客さんからしても『怖い女の人』じゃない女の子が縛ることはすごく珍しく映ったみたいです」

――確かに、女流緊縛師という存在がメジャーになったのって本当にここ最近ですよね。

結月里奈「そうですね。コロナ禍より少し前の、ここ5~6年くらいの話でしょうか。今やアイドルみたいな緊縛師も出てきていますからね。緊縛というもの自体が昔よりもポップになってきたし、カルチャーとして確立したんじゃないかと感じています」

――女流緊縛師として活動を始めて12年。結月さんの中で何か変化したことはありますか?

結月里奈「根本的なところは変わってないと思いますが、この12年の間にすごく余裕はできましたね。ショーの最中に間違えたら、怪我させたら、時間オーバーしたら……という焦りは無くなりました。今は安心安全を第一としても、自分がやりたいことをやれるようになったと思います」

――ショーをするうえで強く意識していることは?

結月里奈「どれだけエロく見せられるかはもちろんですが、お客さんに応じて演目を変えたり、モデルのM女さんの反応や自分の気分次第で決めてみたり、台本通りにやる必要はないということでしょうか。事前に10パターンくらい考えてはいるし、道具もいっぱい用意しているので、その日にやることの7割は当日には変わったりしています」

――フェチフェスで発売するROMや写真集の制作もご自分でしているそうですが、ショーなどもある中でどのようにスケジュール進行をしているのでしょうか。

結月里奈「フェチフェス開催月の2ヶ月前に撮影をして、毎日夜に2時間ずつ作業するのが理想です。が、だいたいは途中まで順調にやっていたのに急にストップしたりして、ラスト2週間でガーっと進めることが多いかも(笑)。やる気を出すと集中できるんですけど、サボり魔なところがあるんですよ」

――じゃあ、毎回けっこうな突貫工事なんですね。

結月里奈「一度、フェチフェスの三日前に撮影してそのまま10数時間ぶっ通しで作業したこともあります。『やれるのは自分しかいないから!』って思うと急に前のめりになったりするんですよね。ちなみに、ちょうど今朝フェチフェスに出す新作ROMのジャケットが出来上がったところです。今回はけっこう順調。あともう1作つくる予定です!」

――では、結月さんがフェチフェスに出続けている理由は何でしょうか。

結月里奈「ほとんど習慣に近いですね。フェチフェスってショーは別としても、今一番アングラな昼イベントだと思うんですよ。乳首バッテンなコスプレが許されて、SM以外のお客さんもたくさん来て、その場で緊縛もして……こんなイベント他にないですよね」

――10周年を迎えたフェチフェスですが、常連出展者である結月さんから見て、客層の変化は感じていますか?

結月里奈「ニコ生での放送が始まったあたりから変わってきた気がします。『なんだかわかんないけど、面白いから来てみた』みたいな。間口が広がったというか、良い意味でも悪い意味でもアングラ感はなくなってきたような。実際、私が緊縛しているのを見て引いてるお客さんもいたんですよ。最初のうちは『フェチフェス来てそんな反応なの?!』と戸惑ったのも事実なんですが、逆に今は緊縛を知って好きになってもらえるチャンスが増えたと思うようになりました」

――実際にフェチフェスきっかけでファンになってくれた人も多いのでは?

結月里奈「それはありますね。で、一回私にハマると離れないでずっと会いに来てくれます(笑)」

――結月さんは、小さい頃はどんな女の子だったのですか?

結月里奈「子どもの頃から周りからは変人扱い(笑)。小学校の時から近所にいる変態なおじさんをからかったりして遊んでました。友達と踊って遊んでるところを見に来て、お菓子をくれるおじさんがいたんですよ」

――そこを警戒しないあたり、やっぱり変わってますよ(笑)。

結月里奈「でも、その当時からストーカーがいたんですけど、そういう私に向かってくるような変態は嫌いなんです。ただ見に来るだけなら歓迎するんですけど……」

――自分では、変わってる自覚はなかったんですか?

結月里奈「小学校に行き出して変なことに気付きましたけど、普通になりたいと思ったこともなかったですね。ただ、10年に1回くらい普通になりたいブームが来て、なれないことに病んだり悩んだりした時期もありました。今はもう開き直ってますし、このアングラな世界にいたら私って別に変ってないって思えますし(笑)」

――フェチフェスをはじめとしたアングラな世界で、こんなに長く活動をすることになることを12年前は想像できていましたか?

結月里奈「いや~、いつの間にかこうなっていたって感覚ですね。そもそもアングラへの憧れは、私にはないんです。逆にアングラが私の方に来た感じ。でも本当にこの世界の居心地が良いんですよ。だからやめられないんです」

――今後もフェチフェスには出続けていきたいと思いますか?

結月里奈「しばらくは続けていきます。ちょっと今は余生みたいな感じになってきてますけど(笑)、健康寿命を延ばしてまだまだ緊縛をやっていきたいです。あと、三代目葵マリーさんとの共同主催イベントの『SALON de muse』も、『縛・万華鏡★Muse★』から数えると来年で10周年になるんですよ。何か記念的なことができればいいなと思っています」

――ありがとうございました!

『フェチフェス22』の当日、「りなわ倶楽部」のブースに足を運んでみると、チャイナをテーマにしたコスプレに身を包む……というか、ほぼ包んでいない(笑)結月さんの姿が!余裕を持って仕上げることができた新作を両手に掲げながら「私も大人になりました!」と笑顔を向けてくれたのでした。

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もちづき千代子

AVメーカー制作広報・風俗サイト編集長・アダルトグッズ社員を経て、アダルトからグルメまで、人間の欲望を追求し続ける豊満人妻ライター。度を超したぽっちゃり体型がチャームポイ...

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