人間は、多くの遺伝子を残したいという本能が生まれつき備わっていると、何かの本に書いてありました。特に男性は、より自分の子孫をこの世に残そうと毎回大量の種を放出するそうです。

私自身の不倫を肯定したい訳ではありません。

多くの人類が生きていく過程で、より優秀なパートナーとの遺伝子を残したいという強い気持ちが無意識のうちに「不倫」という道を通ることになってしまうのです。

そして、因果応報…自分で犯した罪は、何らかの形でまた自分に返ってくるようですね…。

「ごめん、つぼみちゃん!来週なんだけど、仕事になってしまった。また必ず埋め合わせをするから、来週は会う予定をキャンセル出来ないかな?」

ある日の早朝に、不倫相手の浅井さん(仮名)から悲しい連絡が入りました。

実はこんなキャンセルが、最近頻繁に発生していたんです。最初は全く気にならなかったんです…。むしろ、キャンセルされた後、再度会った時にするセックスが最高に激しくて気持ち良かったし、久しぶりに会うとすごくすごく優しくて…セックスする前から身体中が溶けてしまいそうになります…。

私の荷物を必ず持ってくれるし、ラブホテルの部屋に入るなり抱きついてきて、激しく洋服を脱がせた後で、優しく見つめてディープキス…。

私の脚を開いて、じっくりと見つめながら秘部を指で開いたと思ったら、クリトリスを執拗に舐めまわしてきます…。部屋に入ってからまだ5分も経過していないのに、私の身体は、浅井さんのテクニックにとろけそう…。

アッアッアッ…やばい…直ぐにイキそう…。直ぐにイッちゃうのも失礼かしら…はぁはぁはぁ…でも。ヤバいヤバい…ウッウッウッ!

頭の中で、気持ち良すぎて大パニックの私。

キャンセルされた事なんかすっかり忘れてしまい、浅井さんにされるがままで…。早く挿れて欲しい。早く合体したい…。

「気持ち良い?つぼみ?もっとちゃんと喘いで。ほら、オマンコが、グチョグチョだ…。下のお口は凄い正直なのにな…。上のお口は?正直じゃない?」

彼は自分のペニスを手で扱きながら、硬くなったそれを私の口の中に挿れて来ました。

「ウッウッウッん…。」

無理矢理捩じ込まれたペニスを受け止めようとしますが、私の口の奥の方へ突っ込んできたので、思わず嗚咽が止まらなくなってしまいます。

「おッおッ!やっぱりつぼみちゃんのお口マンコのほうが気持ち良いな。最高。堪らないよ」

押し込まれたペニスを、受け止めながら、私はわずかな違和感を覚えます。

――“ほうが”。

誰と比べているの??
その問いは、声にならないまま、喉の奥で溶けていきます。

浅井さんの発言に対して、小さな違和感を覚えつつも、私は夢中でご奉仕していました。

何だか悲しい気持ちなのに、やはり身体は正直でした。そして彼に触れられるたびに、尽くしたいという気持ちが、どんどん高まってしまうのです。

切ない…。

浅井さんは私の頭を時々撫でながら、フェラチオに満足してくれている様子でした。暫くすると私の口からペニスを引き抜き、私を抱え直し、背後から重なってきました。

荒々しく腰を振りながら、自分の欲望を満たすかのようにピストン運動をしてきます。

「アッ…アッアッアッ!優しく…もっと優しくお願い…アッ…アッアッアッ…!」

私がお願いしても、その激しい動きは止まるどことか、更に早くなるだけでした…。
そのまま彼は、すべての性液を私の中に残し、深く息を吐きます。
そして私も同じくして絶頂を迎えたのでした…。

「気持ち良すぎて眠くなってきたな。少し寝かせてもらうよ」

背を向けたまま、そう言った彼の声は、どこか遠く感じられました。
以前は、必ず腕枕をしてくれて、他愛もない会話を交わしていたのに。
その温もりを思い出した瞬間、胸の奥にぽっかりと穴が開いたようでした。
気づけば、涙が溢れていました。
彼は気づかないまま、静かな寝息を立てています。私はその背中を見つめながら、ベッドサイドのボックスティッシュに手を伸ばし、溢れる涙を必死で拭きました。

「好きな人、出来たの?」

ほとんど独り言のような声でした。

けれど、寝ているはずの浅井さんの寝息が直ぐに止まります。
ゆっくりと起き上がった彼は、静かにこちらを見ました。

「つぼみちゃん、ごめん。気がついていたの?」

私は、頭の中が真っ白になりました。

今までの楽しかった記憶が一気にリセットされたような感覚と、深い海の中に取り残されたような孤独感が襲います。

「終わりにしよう。今日で」

彼の言葉は、驚くほど静かでした。
私は何も言えず、ただ小さく頷きました。

――好きでした。

心の中で、そっと呟きます。
声に出してしまえば、すべてが崩れてしまいそうで。
だから私は、その言葉を胸の奥にしまい込むことにしました。

部屋を出ると、外の空気は思っていたよりも冷たくて、けれどどこか、心地よくも感じられました。
振り返ることはしません。
ただ一歩ずつ、前へと歩いていきます。

それでもきっと、ふとした瞬間に思い出すのでしょう。
あの人の声も、温度も、触れ方も。

でも、それでいいの。

浅井さんとの時間は、確かに私の人生の一部で――
もう戻ることのない、けれど消えることもない時間だったのですから。

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つぼみ

大好物は、甘いケーキとロマンチストなエロい男性です。 副業で官能小説書いてます。 得意なジャンルは禁断の関係。 ダメ…いけない…と言われれば言われるほどハマる大人の関係…。

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さくらの恋猫

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