エロ用語講座　夜這いの歴史とその語源は？無理矢理犯されちゃう…なんてことはなく、約束を取り付けるものだった！？

こんにちは！パティ・チャンです。
manmam読者の皆さん「夜這い」についてはどんなものかはご存知でしょう。
現在では男の人が無理矢理…なんてイメージが強いですが、実はそうでもなかったようです。
今回は「夜這い」の歴史やその語原を調査しました。

夜這いは求婚の方法のひとつだった

夜這いとは、男を「呼ぶ・呼ばふ（よぼう）」という奈良時代の言葉がなまったものだとされています。古代日本においての夫婦関係は男女別々に住み、夫が妻のもとへ通うのが一般的。呼ばふとは、夜に相手を訪ねて求婚することを指し、現代っぽく言えば、彼氏がプロポーズをしに家デートにやってくると言ったようなものです。そのうちに時代が進み、呼ばふが夜這いへと変わり、ことに及ぶために相手の寝床へ忍び込むことを意味するようになりました。

夜這いは文化！

そのうちに夜這いは農村・漁村などでひとつの文化として受け入れられ、男性だけが訪れるわけでなく、女性が男性宅を訪れるパターンも出来上がりました。小さな村では村の存続のために効率的に子どもを産む必要があり、その手段としても夜這いが行われていたと言われています。村中の男とセックスをしてもOKだし、一晩に何人とヤッても何の自慢にもならないというんですから、現代のヤリマンには太刀打ちできない世界ですね。それにしても子どもの父親が誰だか分からないなんて、令和の時代からすればとんでもない話です。

夜這いには子作りとしての文化があった一方で、一種の性教育や成人の儀式としての側面もありました。ある年齢や初潮・精通を迎えたり、下の毛が生えそろったりすると、年長者の手ほどきを受け初体験を済ませるのです。今このコラムを読んでいる方の中には、すっごい年下とエッチができちゃうなんていい時代じゃん！と思った人もいるかもしれません。ところが、ほとんどの村では若衆・若者組と呼ばれる少年・青年期の独身男性と初潮を迎えた後の独身女性のためのお見合いのようなものとして夜這いが慣習化されていたので、アダルト動画のような息子の友人に襲われちゃったみたいなシチュエーションは残念ながらありませんでした。

ちなみに夜這いには地域ごと厳密なルールがあり、基本的には事前に約束を取り付けるので、性衝動に駆られた男が急に襲いに行くなんてことはなかったようです。もしこれを破った者がいれば、瞬く間に村八分の対象です。夜這いは決して強姦などではなかったのです。

余談ですが、北関東のある村では夜這いでの性行為中は、女性は寝たふりをしなければならないというルールがあったといいます。合意の上で行われるのにされるがままというのは現代の感覚ではなんとも寂しいセックスですよね。

夜這いはいつ頃なくなったの？

江戸時代に入ると、性風俗の乱れを正すため、政府の規制によって夜這いは全国的に禁止されましたが、政府の目が届かない地方では夜這い文化は残り続けたようです。しかし、性産業の発展と近代化・西洋化に伴い、明治時代には夜這いはほぼなくなったと言えます。未来の旦那さまのために純潔を守ることが根付き、夜這い＝強姦という価値観に移行していったのもこの頃です。

その一方で、根強く夜這い文化が残り続けた地域ではつい100年ほど前までは確認が取れています。戦争で男手が足りないので、小さな村の人口を増やすためには必要な効率の良い手段だったのです。中には女性を知らずに戦争に行くのは可哀想だ、想い合う男女が戦争によって離れ離れになる前に最初で最後のセックスをさせてあげようという思惑もあったようです。

噓か本当かは分かりませんが、ネット上には夜這い経験者の老人たちへのインタビューや体験談が転がっています。甘美な思い出として語るエピソードや非現実的なシチュエーションには幻想を抱いてしまいそう。…ですが、現代の日本では夜這いは犯罪。年下の男の子をお姉さんのテクニックで虜にしてしまうのは妄想の中だけに留めておきましょう。