【BL漫画レビュー】限界腐女子が「よるとあさの歌」をガチレビュー♥
成人向けBL漫画を読むとき、単純にエロさだけを求めて読む人と、キャラたちの関係性やストーリー、二人が恋仲になるまでのバックグラウンドに焦点を当てて楽しむ人の二種類の腐女子が存在する。
筆者は断然後者側であることが多い。
もちろんバカエロ系やドスケベセックス全開のBL漫画も痛快で好きだが、ストーリー性のある作品は二人の関係性に尊さを見出しやすいし、結ばれた瞬間には獣のような叫び声をあげて悶えてしまう。
不仲だった二人が紆余曲折あって恋仲に…はたまた、二人で手を取り合ってさまざまな苦難を乗り越えながら、より一層絆が深まったり…などなど、バックボーンがしっかり描かれている作品は、ド直球に心に響くものが多い。
そこで今回、シリアスなストーリーのBL漫画が読みたいと思い立ち、「シリアス BL漫画」で検索したところ…
最高な作品と出会ってしまった!
その作品こそがこちらの、「よるとあさの歌」である。
全211Pという大ボリューム。まるで一本の映画を見終えた後のような気持ちにすらなれる、シリアスかつ重厚で芯のあるストーリーに思い切り心をつかまれてしまった。
さきほどこの作品を読み終えたばかりなのだが、まだ興奮と涙と動悸が冷めやらないため、この感情が落ち着いてしまう前に皆さんにも紹介しておきたいと思う。
バンドマン二人の生々しく背徳的な関係がエモい
この作品のメインとなる二人は、同じバンドに所属するメンバー同士。
ガラも女癖も言葉遣いも悪く、悪く言えばクズ、よく言えば奔放で自由な攻めの「朝一」と、そんな朝一を長年一途に想い続けるちょっぴり盲目的なボーカルのヨル。
そんな二人の恋模様を中心に、さまざまな登場人物が入り乱れて複雑な人間関係が展開されていく。
暴力・レイプ…二人を取り巻くガラの悪すぎる人間模様
この作品のもう一人の主人公ともいえるのが、冒頭に登場するITヤクザのいおり。
見るからにガラが悪く態度も粗暴なのだが、妹に無理やり連れてこられたライブハウスで初めてヨルの歌声を聞き、ライブ中に勃起が止まらなくなってしまう。(!?)
ノンケだったはずなのに、ヨルの歌声を聞いた瞬間から完全にオトされてしまうのだ。
ヨルくん、歌声に媚薬効果でもあるのか?
中盤までこのヤクザ視点で物語が進行するため、この二人が結ばれるのかな?と勘違いしてしまう人も多いだろう。
しかし、朝一が登場してから物語が急展開するのだ。
長年朝一を想い続けてきたヨルは、ある事件をきっかけに朝一と肉体関係を持ってしまうことに。
しかし朝一はヨルをとことん毛嫌いしており、「気持ち悪い」「ホモ!」などと罵って徹底的に拒絶する。
これをよく思わないのが、先ほどご紹介したITヤクザ君だ。
実はこのヤクザの妹、「しおり」と朝一は、セフレの関係にある。
そんなしおりが、朝一とのちょっとした言い争いの際に頬に傷を作ってしまうという事件が起きた。
これを聞きつけたヤクザ君、ヨルへの想いもあってかもちろん黙っちゃいない。
朝一を呼び出して、部下も引き連れての徹底的な暴力・レイプに乗り出してしまう!
殴る・蹴るはもちろんのこと、「尿道に砂利入りローションを流し込むぞ」というおぞましい脅しまでかましながら、朝一に一生残るトラウマを植え付けたヤクザ君。
しかしこの事件があったからこそ、のちに朝一とヨルが深く結ばれるきっかけともなったのだ。
泥沼を乗り越えながらも…
青年漫画のような生々しい人間関係にハラハラさせられる展開が続くが、最後は決して胸糞の悪い終わり方ではないのもこの作品の魅力のひとつだ。
BL漫画らしくきちんと二人は結ばれるし、結ばれるまでの過程が非常に深く掘り下げられているので、二人の想いが通じ合ったシーンは思わず涙がにじんでしまうくらい感動した。
紆余曲折ありながらも一層絆を深め、恋人同士となった朝一とヨル。
全211ページにもわたる重厚なストーリーのおかげで、胸が締め付けられるような尊さを感じられること間違いなしの作品だった!
…よし、次もシリアス系の作品を漁るとするか…。
以上、限界腐女子による限界レビューをお届けしました。
滝川クリヒロイ
あやまんJAPANユースライター部の滝川クリヒロイです。 三度の飯よりBLが好き、よく考えたら百合も好き。 筋金入りのサブカルエロ女が、今日も今日とてお役立ちバカエロコラムをお...
PR