限界腐女子が「僕しか知らない兄の顔」をガチレビュー♥これはボーイズ……ラブなのか?
3月〜4月にかけて、甲子園球場では今年も「春のセンバツ高校野球」が行われた。
筆者は毎年この時期になるとテレビに齧り付いて試合の様子を見守るのだが、今年は14年振りに2日連続雨天中止になるなどハラハラさせられる展開も多く、雨天明けの4試合での接戦は今でも強く印象に残っている。
そんな興奮も冷めやらぬ中、なんとなくDLsiteがるまにで「野球」というキーワードで検索してみたところ、とんでもない作品と出会ってしまった。
それがこちら。
「僕しか知らない兄の顔/著者:ミナカミ理久」
表紙からも分かる通り、どこか薄暗く胸糞展開の予想されそうなダークな絵柄に惹き付けられた。
野球部のエースである兄と、その弟の苦悩を描くというのがざっくりとしたあらすじである。
ほ〜、兄弟モノ最近読んでなかったし見てみるか!と軽い気持ちで読み始めたのだが……これがもう、胸糞なんて言葉で済ませて良いのかと悩むほどの展開だった。
今日ぜひ、皆さんにも同じ気分を味わって頂きたいと思う。
登場人物
蜂須賀 彗斗(はちすか けいと)
今作の主人公であり、後述する暴力兄貴の弟。
非常に内向的。
人とのコミュニケーションが苦手な高校一年生で、常に兄の影に怯えながら日々を送っている。
蜂須賀 天明(はちすか てんめい)
彗斗の兄。大学一年生。
表向きは非常に明るく好青年だが、その本性は弟の彗斗にしか見せていない。
兄弟の歪んだ関係性にとにかく胸が締め付けられる
上述の通り、本作のメインキャラクターである蜂須賀兄弟は非常に歪んだ関係性で成り立っている。
というのも兄・天明が日常的に弟を暴力で支配しており、殴る蹴るだけでは飽き足らず、弟のカラダをまるでオナホールのように扱い酷使しているのだ。
そんな兄の影に怯えながら、家でも学校でもビクビクと隠れるように生活する弟の彗斗。
そのうえ天明は、彗斗以外の前では非常に明るい好青年を演じているため、彼の本性を知っているのは世界でただひとり彗斗だけなのだ。
拒めば殴られる恐怖に支配され、夜な夜な襲い来る兄に半ば諦めながらカラダを明け渡す彗斗……本当に胸の締め付けられるストーリーだった。
ハピエンの可能性はあるのか?
今作の胸糞レベルは、最強の胸糞漫画と名高い山野一の「四丁目の夕日」をやや薄めた程度にはマイルドではあるものの、読む人をかなり選ぶ作風であることは間違いない。
とはいえ終盤、ややハッピーエンドを匂わせるような台詞・展開も見られたのだが……そう簡単にハピエンに繋げてくれるのか不安が残る。
弟への狂った愛情と支配欲に駆られ暴走する兄と、その愛情が重くて怖くて痛くてたまらない弟。
決して円満なボーイズ「ラブ」ではないのだが、天明が彗斗に対して抱く感情は「ラブ」で間違いないのかもしれない。
とことん身勝手で恐ろしい兄なのだが、今後の展開で彼の改心に期待したいところだ。
胸糞漫画が好きな方は確実に刺さる作品なので、ぜひ一度気になる方は読んでみて頂きたい。
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