1月29日に開催された『フェチフェス21』。manmam編集部も潜入取材をし、たくさんのコスプレ美女たちの姿をこの目に焼き付けてきました。
しかし、なぜ彼女たちはコスプレをしてフェチフェスに出展するのでしょうか。そこには十人十色、それぞれの理由があるはず……。
そこで今回は『フェチフェス21』に「Team♡nozomin’s」として出展を表明していたセクシー女優の金苗希実さんにインタビューを決行。なぜコスプレをするのか、なぜフェチフェスに出たいと思うのか。お話を聞かせてもらいました。


――金苗さんは2015年にAVデビューをし、今年でデビュー8周年を迎えられるそうですね。現在は事務所に所属せず、フリーランスで活動をしているとか。

金苗希実「はい。2020年10月からフリーになりました。今はメーカーさんに依頼されて作品に出演する以外にも、セルフプロデュースで写真集やROMの制作をしています。カメラマンに依頼することもありますが、だいたいは三脚を使って自分一人で撮影することが多いですね」

――率直にお聞きしますけど、なぜ金苗さんはコスプレをするのでしょうか?

金苗希実「そこは単純に趣味なんですよ。コスプレするのが好きだからってことに尽きます。事務所に所属していた時代も、今ほどコンスタントでないにせよ、写真集を自分で作ってメーカーさんが出展しているコスホリで置いてもらったりしていました」

――なるほど。フェチフェスに出る前からそうした活動は行っていたのですね。

金苗希実「フェチフェスに出るようになったのは2022年の4月からです。フリー女優連盟に入って、三代目葵マリーさんからお声がけしてもらって、そこからは毎回出展しています。フリーになったことで、どんどん自分から発信できる機会が増えている感覚がありますね」

――セルフプロデュースをするようになったきっかけは?

金苗希実「子どもの時からものづくりが好きだったので、ルーツはそこからかも。美術や技術の成績はずっと5だったし、表現することも好き。今は創作も表現も両方できているのですごく楽しいんです」

――そもそも、なぜセクシー女優になったのですか?

金苗希実「私は母親がシングルマザーの毒親で、19歳で母親から逃げるように家を出たんです。そこから一年くらいは地元に潜伏していたんですが、住所を特定されてしまったので、もう地元にいるのは無理だと思って東京に来ました。その後、キャバクラで働いている時にAVに出ないかとたまたま声を掛けてきた人がいて……という流れです」

――想像以上にヘビーなお話で驚きました。AVデビューすると決めたのはかなりの勇気だったと思いますが。

金苗希実「そうとう考えましたよ。リスクもあるし、普通の女性としての幸せはなくなるかもしれないという怖さもありました。ただ、私はお芝居にも興味があって、それはキャバクラをやりながら目指すよりもAVの方が近いものがあると思ったんですね。あと、これをきっかけにして人生が良い方向に切り替わればという願いもありました」

――やはりここでも”表現する”ということが一つのポイントになっているんですね。

金苗希実「デビューにあたって身分証明のためにパスポートを作ったんですが、その時に『5年は続けたい』と考えたんですね。なので、期限は10年のパスポートを作ろうと。そこまで売れなくても頑張ろうと心に決めたんです」

――そのパスポートの期限は、残りあと2年ですね。

「正直もう『早くパスポート切れてくれ……』と思っていたこともあるんです(笑)。でも6年目くらいから裏方の道に行きたいと思うようになって、今はちょうどその練習期間のようなものですね。引退後のキャリアとして、制作というのは考えています」

――金苗さんの表現者としてのモチベーションはどこにあるのですか?

金苗希実「ファンの存在です。私は企画女優なので、名前も出ずに出演している作品が多いんですよ。見つけづらい中でも見つけて推してくれる。その有難さは切に感じていますね。少しでも結果を……作品や活動を増やせれば、それが恩返しになるのではないかと思います」

――フェチフェスだと直接会いに来てくれるファンも多いですか?

金苗希実「ですね。久しぶりに話せたり、数年ぶりに顔を見に来てくれたり。忘れてないんだなと思って嬉しくなります。AVに限らず、一年でたくさんの女の子がデビューしていく中で、変わらずに私を推してくれるって凄いことだと思うんですよ。でも本音を言えば、推し増しはしてくれて構わないんですけど、推し変はしないでいてくれたらなぁと……」

――推し対象が増えるだけなら問題ないでしょうけど、もう推さないってなるのは確かに悲しいですよね。

金苗希実「ねえ、気付かれてないと思ってるでしょー(笑)?!実はこっちは敏感に察知するんですよ。演者のプライドとして怒ったりはしないけど、わかってるよ!って言いたい。細く長く応援してくれればいいので!」

――セルフプロデュースをするようになって大変だったことは?

金苗希実「自主制作は自分で自由に決められるから、ゴールや正解は自分にしかわからないんですよ。でも、これはぜんぜん自分の好きなことなのでいいんです。苦労があるとしたら、スタジオ探しや製作費の捻出など、表現や創作以外のことですね。イベントの当日の朝までレタッチやCD焼きなんてザラですから。漫画家や小説家がよくいう修羅場ってやつです(笑)」

――制作も含めて1から10までやっているなら、とんでもない時間を費やすことになりますよね。

金苗希実「レタッチ作業だけでも、100枚の写真を1枚5~6分でやるとして……600分!長ければ10時間くらいとかかかります」

――このインタビューはフェチフェスの5日前に行われているのですが、ぶっちゃけ進捗の方は……?

金苗希実「実は、レタッチできてません(笑)。でも自分でやるからこそ、ギリギリまでこだわれるので!頑張ります!」

――果たして当日に間に合ったのか!?リアルなドキュメンタリーになっています(笑)。お話を聞いていると、そういった産みの苦しみも含めてセルフプロデュース楽しんでいることが伝わってきますね。

金苗希実「今後は他の女の子のプロデュースもやっていければと思うんですよ。今、他の人を撮ることが楽しくて!アニメコスプレだと特に自分では表現できないものがあるんですよね。このコスは私の骨格や色に合わない、でもめっちゃ可愛い。誰かが着てるところが見たい……プロデュースだ!って(笑)」

――コスプレを本気で愛している人の考え方だ(笑)。

金苗希実「ただ、自分のものを作るのとは違うプレッシャーはありますよ。自分のことは売れなくても自己責任ですけど、その子が責任を感じないように売れるものを作らないと。そのためにもパーソナルカラーの資格を取ったりして色々と勉強中なんです。いずれはその子に合うコスプレをトータルコーディネートをして写真を撮れる店を出したいですね」

――引退後のヴィジョンも見え始めてきているのですね。

金苗希実「10周年前にスキルを磨いて知名度を上げて、何か形にしたいと思っています。『のぞみんの作品が欲しい』と言ってもらえるようになりたい。クリエイターという立場が楽しくて仕方がないんです」

――今後もフェチフェスには出続ける予定ですか?

金苗希実「はい。引退することがあっても、コスプレは趣味なので即売会への出展は続けると思います。例えばコミケならアニメコスだし、コスホリならちょっとエッチな感じとか、即売会にもそれぞれカラーがあるんですが、フェチフェスはフェチ特化のイベントなので、何にフォーカスしようかと考えるのが楽しいんですよ」

――数多の即売会の中でも、金苗さんにとっても特殊な位置づけにあると?

金苗希実「私はデカ尻推しなので、尻フェチに刺さるものを、とか。Wet&Messyにしてみようとか。フェチフェス以外では出せないような作品をつくれることが面白いんですよね。あと、来てくれるお客さんもフェチ系のファンがほとんどなので、けっこう濃いフェチトークで盛り上がれるのもいいです(笑)」

――確かに、取材に行って驚きましたもん。これだけ多種多様なフェチの集まる場所って他にないんじゃないかと。

金苗希実「そうそう。体に落書きされたいフェチとか、踏まれて喘いじゃうフェチとか。お客さんが楽しんでいる姿を見ることが私は幸せなので、その場にいるだけで楽しめちゃう。でも、反面なにもフェチを持ってないノーマルな人も気軽に足を運べるキャッチ―さもあるのが凄いなと思っています」

――確かに怪しさやアングラ感がそんなにないですよね。間口の広さを感じます。

金苗希実「何よりクリエイターたちが情熱を込めて作っているのがわかるから……。そういうことを考えると私もつい買っちゃったりパフォーマンスを体験しちゃったりするんです。新しいフェチの発見も毎回のようにあるし、これからもフェチフェスで表現し続けていきたいと思います」

――ありがとうございました!

『フェチフェス21』の当日、「Team♡nozomin’s」のブースに足を運んでみると……。無事に新作が出来上がっていました!

金苗希実「でも、出来上がったのは1冊だけなんです……予定してた全部は間に合いませんでした……」

計らずも、セルフプランのものづくりの厳しさを体感させてくれた金苗希実さんなのでした(笑)。

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もちづき千代子

AVメーカー制作広報・風俗サイト編集長・アダルトグッズ社員を経て、アダルトからグルメまで、人間の欲望を追求し続ける豊満人妻ライター。度を超したぽっちゃり体型がチャームポイ...

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