【連続官能小説 第2話】イケメン芸術家との情事♡~私だけのあなたと妄想脳イキおSEX~
水曜日の朝。
勤め先である「ミュージック&アート・アカデミー」の、すっかり見慣れた教室の窓際に座り、本日二杯目のコーヒーを飲む。
昨夜は、付き合って5年になる遠距離恋愛中の彼氏と電話越しにちょっとした喧嘩をしてしまい、その後ヤケ酒をしてしまった。
二日酔いの頭を濃いブラックコーヒーで落ち着かせていると、教室のドアの向こうにスラっとした長身の影が見えた。
「上野さん!」
「あ、永原さん。おはよう」
思わず大きな声で呼び止めるように挨拶すると、隣の教室でピアノ講師をしている上野さんが相変わらず美しく整った顔立ちに笑顔を浮かべ、立ち寄ってくれた。
「なんか顔色悪いね?大丈夫?」
「いやいや、全然元気ですよ!ちょっと昨日飲みすぎちゃったのかも…あはは…」
「また?ホントお酒好きだね。あぁ、そうだ。今日は俺の隣の教室に布施さんが来るんだよね」
呆れたようにクスクスと笑いながら、いつもの淡々とした口調で上野さんが言う。
「布施さん?布施さんって、サックス教室担当の?」
「うん。この前永原さんがお酒強いって話したら、一緒に飲んでみたいって言ってたよ」
「え、ホントですか。是非行きたいですけど…」
出来れば上野さんも一緒に…。って勇気を出して言わなくちゃ…!
と、口を開きかけたその時、
「おっはよ~。あ、蘭子ちゃんも来てる~」
「布施さん!」
顎まであるフワフワのパーマがかった髪の毛を揺らし、サックス講師の布施さんがスキップするようにドアから入ってきた。
「珍しいですね、今日レッスンあるの」
「先週、台風で休みになった分の振り替えなんだよねー」
お洒落に整えられた顎ヒゲを、上野さんとはまた違う、ゴツゴツとした長くて細い指でジョリジョリと撫でながら、いつも通りつかみどころの無いゆるいテンポで布施さんは言う。
誰とでもフランクに話す布施さんだが、過去には数々のコンクールで賞をとってきたサックス界の大物らしく、今も有名シンガーやバンドのライブツアーに参加したり、テレビ出演していることも多々あるという。
「じゃ、俺はそろそろレッスンなんで」
「えーーもう行っちゃうの上野ちゃん」
「はい。永原さんも、また」
「あっ…はい、また!」
長机に腰掛ける布施さんと私を残し、上野さんは颯爽と教室を出て行ってしまった。
またレッスン後、上野さんと話せる時間あるかなぁ…
ドアの向こうの上野さんの背中の残像を見つめながら、そんなことを考えていると、ふと耳たぶに温かい熱を感じた。
「えっ」
「蘭子ちゃん、ピアス開けてないんだね。珍しいね今時」
気付くと、布施さんが至近距離で、私の耳たぶに指をツツっと沿わせていた。
弄ぶように色っぽく触る仕草に、ズクン。と、一瞬にしてカラダに熱がこもる。
「あの、その…はい…最近は可愛いイヤリングも多いので…」
「へぇー、そっか」
グッと近づけられた布施さんの顔。
外国人のような高い鼻と、奥二重の色気のある目。フワフワの前髪が少し目にかかっていて、それがまたさらに色っぽさを拍車させている。
「蘭子ちゃん、酒強いんだって?普段何飲むの」
まだ耳たぶに指を沿わせながら、布施さんが聞いてくる。
「あっ、え、その、家では…芋焼酎とか…」
「ハハッ!いいね。俺も好き~。今度飲みに行こっか」
「は、はい、是非…」
「よっしゃ決まり。んじゃワタクシもレッスン行ってきますわ~」
「はい…お疲れ様です…」
パッと至近距離にあった顔が離れたかと思うと、ピョンっと机から降り、来た時と同じ軽い足取りで、おそらくハイブランドのものであろう、少し甘めの香水の香りを残して布施さんは去って行った。
相変わらず…何というか…つかみどころの無い人だなぁ…
「あたしもレッスンの準備…しなきゃだ…」
一瞬だけだったのに、まだ耳たぶが熱く、心臓が高鳴っている。
おぼつかない手つきでキャンバスを広げながら、私の頭の中はあっという間に布施さんでいっぱいになってしまっていた――。
そしてその夜。
無事一日のレッスンを終え、帰宅後、ソファに座り、いつも通りたっぷりと氷を入れたロックグラスにトクトクと芋焼酎を注ぐ。
一口、焼酎を喉に流し込み、布施さんの言葉を思い出す。
”ハハッ!いいね。俺も好き~。今度飲みに行こっか”
…本当に布施さんと飲みに行ったら、どうなるんだろ…
布施さん、一見チャラそうだけど、でも絶対モテるし…私みたいな地味なタイプ、絶対口説こうとなんかしないよね…
でも…もし、もし布施さんと飲みに行って、お互い芋焼酎好きだし~って、私の家で二次会することになったら…?
そしたらきっと、こんな感じに――
「蘭子ちゃん、俺と好きな芋焼酎の銘柄まで一緒じゃん~」
ソファに座る私のすぐ足元で、ローテーブルを前に床であぐらをかいて座る布施さんが、グラスの氷をカラカラと揺らしながら言う。
「これ美味しいですもんね!だからついつい飲み過ぎちゃうんですけど」
「へぇー?蘭子ちゃん、酔ったらどうなんの」
「どうって…」
突然、お酒のせいなのか、少し熱のこもった目で布施さんが私を見上げる。
「蘭子ちゃんってさぁ…普段はすんごい清楚で大人しそうな感じだけど、お酒はいると、いつもより何か喋り方も甘くなって…エロいね?」
「えっ…いや、そんなこと…」
「俺さぁ…さっきからすんげぇ触るの我慢してんだよね…この、真横にある脚」
ソファに座る私の膝丈スカートから出た脚を、床に座る布施さんの指がスーッとなぞるように触れる。
「っ…!」
「…脚も熱くなってんじゃん…膝より上の方は…?どうなってんの…?」
下であぐらをかいていたはずの布施さんが、身をよじって私の脚と脚の間に上半身を寄せてくる。
そっと脚を広げられ、スルリとスカートの中に手が入れられる。
生暖かく、骨ばった布施さんの指が私の露わになった太ももをヌルリと撫でる。
「布施さっ…だめ…」
「超熱くなってるよ~?ここ…俺の口で冷やしてあげる…」
スカートをめくりあげ、脚の付け根から太ももにかけ、ねっとりと触りながら、布施さんの舌が焦らすようにゆっくり舐め上げる。
「はぁっ…ん」
「蘭子ちゃん、酔ってるからそんな声でんの?ヤバいね…超そそる」
布施さんの柔らかく長い前髪が、太ももにかかる。髪と、指と、舌の感触に、既に意識が飛びそうになってしまう。
「布施さ…待って…」
「んー?」
一旦止めようと、震える手でそっと布施さんの指を押さえたその瞬間、グッとその手をソファに押しつけられ、その勢いで太ももを執拗に舐めていた布施さんの唇が私の下着にまで上がってきた。
「蘭子ちゃんのここは…もっと熱いね…?」
制止する間もなく、パンツの上から既に濡れ始めているそこを、ベロリと舐められ、ゆるく開けた口で優しくキスをするようについばまれる。
「あっ…はぁん、やぁっ…」
「はっ…やっばいなー蘭子ちゃん…エロ過ぎ…沼にハマっちゃいそ…」
さっきまで余裕しゃくしゃくだった布施さんの息が、だんだん荒くなる。
むしゃぶりつくように下着の上から私の中心を舐めまわし、吸いつく。
「蘭子ちゃんの…一番可愛い所、見せて…?」
一度顔をあげた布施さんが、目が合っただけでとろけそうなほど色っぽい目つきで私を見ながら、ゆっくりとパンツに手をかける。
「や、布施さ…シャワーも浴びてないのにっ…」
「んー?いいよそんなのどうでも…」
「それに…こんなことッ…仕事…仲間なのに…」
息も絶え絶えに私がそう言うと、いつのまにか膝下までパンツを引き下ろした布施さんが、スッと私の目の前まで顔を上げる。
「蘭子ちゃんにとっては…仕事仲間かもしれないけど…」
唇と唇が今にも触れ合いそうな距離まで、布施さんの顔が近づく。
「俺は今日、蘭子ちゃんの耳に触れてから、ずーーっと蘭子ちゃんのこと考えてたよ?」
少しかすれた低い声で、吐息混じりに言われ、私の心臓がまたビクンと飛び跳ねるように動く。
「耳だけじゃない…ここにも…あそこにも…触れたい…舐めたい…って。」
唇を、チュッといやらしい音を立てながら、ついばまれる。
「ん…」
キスをされているだけなのに、お酒だって、もう冷めてるはずなのに、意識が朦朧としてくる。
(布施さん…キス、うますぎ…)
クラクラした頭で布施さんの背中に手を回すと、フッと笑った布施さんが鎖骨に、胸に、腰に、口づけを移しながら、どんどん唇を下へ下へと這わせていく。
「んっ…あっ、あぁッ…ん!」

イラスト:竹あき嬢
布を剥ぎ取られた、無防備な私の脚と脚の間に布施さんの舌がヌルっと挿入される。
感じたことのない、あまりの気持ちよさと刺激に自然と腰が浮いてしまう。
溢れ出す蜜を舐めとるように、布施さんの唇が機敏に動く。
「蘭子ちゃん…腰、動いてる」
「やだぁ…ッ、恥ずかし…」
私の体を全て知り尽くしているかのように、一番感じる所を的確に吸われ、舐められ、全身を電気が走るような快感と刺激に、腰が自然と動いてしまう。
「布施さ…あたし…もぉ…あぁんっ」
「ん…名残惜しいけど…イカせてあげる」
布施さんの舌が私の膨れ上がった突起を今までになく強く吸い上げた瞬間、私は自分でも驚くような甘い声をあげて震えあがった。
「はぁぁ…っん、あぁ…!」
ビクビクッという軽い痙攣と共に、私はガクッと力尽きた。
はぁ、はぁ、と息を吐き、静かに目をつむる。
まだピクピクと小さく震える自分の下半身を手でおさえ、次に目をあけると、もうそこに布施さんはおらず—―
「ヤバい…今度は布施さんでイッてしまった…」
もう恥ずかしくて、布施さんと飲みに行くなんて絶対無理だな…と思いながら、私は飲みかけの焼酎をゴクゴクと一気に飲み干した。
つづく♡
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