見習い淫魔がエロスをお届け 小説「花芯」瀬戸内寂聴著
アタシは見習い淫魔のフランソワーズあけび。
ねえ、あなたの精気、少しわけてくれないかしら?
上級淫魔になるためにはエロい気分で高まった精気が必要なの。
なぁに?取って食ったりしませんよ。魔族をなんだと思ってるの?
そもそもアタシは元人間、しがないスナックのママだったのよ。
酒とたばこで元々体はボロボロだったのだけど、死因は、階段から転がり落ちたこと。膝に違和感を感じる歳だったし仕方ないですよね。
どうして転生できたのかは神のみぞ知ると思っています。
ん?魔族なのに神?言われてみればそうですね…。ふふ、小難しいことはどうでもいいわ。だって精気を集めて上級淫魔になったら素敵な青年と気持ちいいことができるらしいんです。せっかく転生できたんだから楽しまなくちゃ。
そう、アタシは早く昇進してイケメンと戯れたいの。
ね、協力して頂戴。
さて、今日は小説を用意したわ。身体の芯、女性だけが持つ芯が熱くなるような話が詰まっているわよ。
淫靡な世界に溺れなさいな。
あらすじを教えてあげる
親の決めた許嫁、雨宮と20歳で結婚した園子。可愛い息子も授かっているのに夫に対して愛情を感じてはいないようなのよ。
それは結婚前からわかっていたこと。
息子が3歳の時に園子は、夫の転勤で京都に行くことになったの。
そこで出会った越智という夫の会社の上司。
初めて目が合った瞬間に、園子は身体の奥底に不思議な震えを感じたの。
自分が恋に落ちたことに気づくのよ。
園子はよりによって夫にそのことを素直に話してしまいました。
そしてその夜、身体を求めてきた夫を拒絶するのです。
これが表題作「花芯」のあらすじ。
他にも官能的な作品4編が収録されています。
瀬戸内寂聴さんをご存知でしょうか?
この作品集は彼女が「瀬戸内晴美」として書いた作品。出家する前の作家名ですね。
1957年の発表当時、あまりにも頻繁に「子宮」と言う言葉が使われてるものだから、批評家のオジ様たちに「子宮作家」なんて言われてしまい、長らく文壇的沈黙を余儀なくされてしまったんですって。
まったく…おちんちんは柔らかいのに頭は固いわね。たまったもんじゃないわ。
でも、当時としてはとてもセンセーショナルだったんでしょうね、
女性目線で性愛の実態があからさまに描かれているんだもの。
「花芯」の主人公、園子は越智に言わせると
「からだじゅうのホックが外れている感じ」
なんですって。まあ、男からしたら隙があるって事かしら…。
彼女は男を引き寄せるのですね。魔性の女。
自分でもそれはわかっているのでしょうか。女性が嫌がる女性かもしれません。
でも、そうなってみたいって思いませんか?
女に嫌われたっていい、男が寄って来るなんて羨ましいですもの。
欲望に抗うことをせず快楽に溺れる園子は奔放で、ある意味自由だわ。
性愛描写は当時としては破廉恥だったかもしれないけれど、しっとりと湿った感じの美しい日本語で表現されているの。
それが、逆に耽美でエロティックなのよ。
そして、直接的な表現はないけれど、なぜか生々しいの。
ねぇ?子宮がうめき声をあげるセックス、したことありますか?
思わず「ゴクリ」と生唾を飲み込んじゃいました。
そうそう、「花芯」って中国語で「子宮」という意味なんですって。
官能的じゃないですか?
淫らだけれど透きとおった処女のような印象を与える魔性の女。
園子の子宮は花芯と言う言葉がピッタリですね。
たまには文学の中でエロスに溺れるのもいいわよ。
あなたの子宮もうずいてきたんじゃない?
ムラムラしてきたらアタシにその昂ぶった精気を頂戴ね。
アタシは見習い淫魔のフランソワーズ・あけび。
あなたにピッタリのエロスをお届けするわ。
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